北近畿豊岡自動車道

北近畿豊岡自動車道：兵庫県北部の交通ネットワークを支える高規格幹線道路

北近畿豊岡自動車道は、兵庫県丹波市から朝来市、養父市を経て豊岡市に至る、国土交通大臣指定の高規格幹線道路です。一般[[国道]]483号に指定されており、愛称は「北近畿豊岡道」または「北近畿道」、高速道路ナンバリングではE72として知られています。丹波地域と但馬地域を結び、周辺地域へのアクセス向上に大きく貢献しています。

概要

北近畿豊岡自動車道は、兵庫県北部の広域道路ネットワークの要となる路線です。舞鶴若狭自動車道、播但連絡道路、山陰近畿自動車道といった主要道路と接続することで、京阪神、若狭地方、播磨地域、山陰地方、丹後地域などへのアクセスを容易にしています。

かつて、大阪方面から但馬方面へは国道176号と国道9号を利用する必要があり、特に朝夕は丹波篠山市や丹波市内で激しい渋滞が発生していました。また、冬期間の積雪による通行止めも課題でした。北近畿豊岡自動車道は、これらの問題を解決するための代替道路としての役割も担っています。

計画以前から開通していた遠阪トンネル有料道路も活用し、段階的に整備が進められてきました。現在、豊岡出石ICから豊岡北IC/JCT間の未開通区間と、山陰近畿自動車道との接続部が事業中です。和田山IC/JCT以北のランプ部やトンネル出入り口には、ロードヒーティングや消雪パイプが設置され、冬季の安全確保にも配慮されています。

各区間の詳細

北近畿豊岡自動車道は、複数の区間から構成されています。それぞれの特徴は以下の通りです。

春日和田山道路: 丹波市春日IC/JCTと朝来市和田山IC/JCTを結ぶ区間。遠阪トンネル有料道路を含み、2006年7月22日に全線開通。舞鶴若狭自動車道と接続します。
和田山八鹿道路: 朝来市和田山IC/JCTと養父市八鹿氷ノ山ICを結ぶ区間。2012年11月24日開通。播但連絡道路と接続します。地山の脆弱性による工期遅延がありました。
八鹿日高道路: 養父市八鹿氷ノ山ICと豊岡市日高神鍋高原ICを結ぶ区間。2017年3月25日開通。
日高豊岡南道路: 豊岡市日高神鍋高原ICと但馬空港ICを結ぶ区間。2020年11月1日開通。
豊岡道路: 但馬空港ICと豊岡出石ICを結ぶ区間。2024年9月23日開通。
豊岡道路（II期）: 豊岡出石ICと豊岡北IC/JCTを結ぶ区間。2023年12月16日着工、開通時期は未定。山陰近畿自動車道と接続予定です。

各区間には複数のトンネルや橋梁が建設されており、その規模は区間によって異なります。これらの構造物は、複雑な地形を克服し、安全で効率的な道路網を実現するために不可欠な要素となっています。

その他

料金: 遠阪トンネル有料道路区間のみ有料です。それ以外の区間は無料です。
道路規格: 第1種第3級、設計速度80km/h、暫定2車線（完成4車線）
サービスエリア・パーキングエリア: サービスエリアはなく、パーキングエリアは氷上PA（丹波いっぷく茶屋）と山東PA（道の駅 但馬のまほろば）があります。また、各IC周辺には道の駅が複数設置されています。
管理者: 国土交通省と兵庫県道路公社が区間によって管理を分担しています。

歴史

北近畿豊岡自動車道の建設は、1977年の遠阪トンネル有料道路開通に始まり、その後、段階的な事業化、着工、開通を経て、現在に至っています。近年は、自然災害による通行止めや、地質の複雑さによる工期遅延なども経験しています。

まとめ

北近畿豊岡自動車道は、兵庫県北部の地域活性化や交通利便性の向上に貢献する重要な道路です。今後の未開通区間の開通により、さらなる発展が期待されます。しかしながら、自然環境や地質条件への配慮、老朽化対策など、今後の課題も多く残されています。計画、建設、維持管理の各段階において、持続可能性を重視した取り組みが重要になります。

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