北部軍管区 (日本軍)

北部軍管区について

北部軍管区は、1940年から1945年まで大日本帝国陸軍が設置した軍管区の一つです。この管区は、北海道、樺太をその範囲とし、初期には東北地方北部も含まれていました。1940年の設立から1944年の変化を経て、最終的には北海道、樺太、さらには千島にまで及ぶ旭川師管のみに限定されました。

設立の経緯

北部軍管区は、1940年7月24日の陸軍管区表の改定に基づいて設置されました。この改定によって、陸軍の最上位組織が師管から軍管区に変更され、北部、東部、中部、西部の4つの軍管区が新たに設けられました。北部軍管区の司令部の設置が遅れたため、1940年12月2日になってようやく北部軍司令部が立ち上げられ、管轄地域は樺太、北海道、及び青森県、岩手県、秋田県、山形県を含むこととなりました。

軍管区の変遷

1943年2月には北部軍の組織が改編され、これにより北方軍が創設されました。さらに北部軍の隷下部隊や大本営直属の北海守備隊が一つにまとめられましした。その後、1944年3月16日には第5方面軍の発足があり、東北地方北部の防衛任務が新たに割り当てられました。同年3月25日の陸軍管区の改定によって、東北地方北部の弘前師管が東部軍管区に移管された結果、北部軍管区の範囲は北海道や樺太、千島の旭川師管に縮小されました。

戦局の影響と組織の変化

1945年2月からは、大本営が国内戦の体制を見直し、各部隊を作戦部隊と管区部隊に分割しました。これに伴い、各軍管区部隊は司令部の下に配置されることとなりましたが、第5方面軍司令部と北部軍管区司令部の司令官は兼任が続けられました。

司令部の人事

北部軍管区では、CCおよび高官達の役職が次第に変わりました。特に1945年2月1日からは樋口季一郎中将が司令官を務め、参謀長には萩三郎中将が就任しました。その他には、星駒太郎少将、沢畑養一中佐、小川権之助少将、吉川喜芳少将などの重要なポストへの任命が行われました。医療、経理、法務などの部門でも重要な人事が行われ、各部門が適切に機能するよう努められました。

終焉

1945年8月、日本が敗戦すると、軍管区の機能はほぼ失われましたが、復員業務のために11月まで北部軍管区司令部が残りました。また、1946年3月30日には第一復員省によって正式に廃止が告げられ、3月31日にその役割を終えることとなりました。

今なお、この北部軍管区の歴史は、日本の軍事組織がどのように変遷したかを理解する上で重要な資料となっています。

もう一度検索