北陸学院中学校・高等学校

石川県金沢市飛梅町に校舎を構える北陸学院中学校・高等学校は、プロテスタント改革長老教会系の団体によって設立された私立のミッションスクールです。北陸地方では唯一のキリスト教主義学校であり、石川県内において後期中等教育機関として最も古い歴史を持つ学校の一つとして知られています。

学校の礎は、1884年（明治17年）にアメリカ人宣教師メリー・K・ヘッセルが金沢で開いた女性向けの私塾に遡ります。翌1885年には金沢女学校として正式に設立され、その後、北陸女学校への改称を経て、戦後の学制改革により中学校および高等学校が設置されました。現在の「北陸学院中学校・高等学校」という名称になったのは1961年です。現在地への移転もこの時期に行われ、歴史ある学び舎として地域に根差しています。

建学の精神は旧約聖書詩編111編10節にある「主を畏れることは知恵の初め。これを行う人はすぐれた思慮を得る。主の賛美は永遠に続く。」に基づいています。この精神のもと、生徒一人ひとりが深い知恵と優れた思慮を育み、創造的な社会貢献を目指す教育が行われています。

かつては女子校でしたが、2005年に男女共学へと移行しました。共学化以前は、石川県内で最後に残った男女別学の高等学校としても知られています。高等学校には、難関国公私立大学を目指す「特別進学コース」と、短期大学や専門学校への進学、あるいは各種資格取得を重視する「総合進学コース」が設けられています。特に特別進学コースは、2003年の設置以来、着実に実績を上げており、キリスト教学校ならではの連携により、同志社大学や青山学院大学などへの推薦進学枠が広く確保されている点も特色です。中学校では、公立校の約2倍の時間を英語教育に充てるなど、語学学習に力を入れています。中学校からの卒業生は、一定の基準を満たせば北陸学院高等学校へ進学できますが、クラス編成のため高校からの一般入試と同等の試験を受ける必要があります。なお、学業成績や出席日数によっては進級・卒業が認められない場合もあります。

学校の象徴である校章は、清らかな雪の結晶と輝く星を組み合わせたデザインで、中央に北陸学院の頭文字である「H」があしらわれています。また、女子生徒の伝統的なセーラー服は、1935年の改定以来受け継がれているデザインです。夏服と冬服では襟とカフスの色が異なり、それぞれブルーとエンジが用いられています。

教育活動においては、授業だけでなく、課外活動や年間行事も充実しています。運動部、文化部ともに中高合同で活動するクラブが多く、硬式テニス、バスケットボール、バドミントン、野球、吹奏楽、美術、茶道、華道、筝曲など多様な選択肢があります。特にハンドベル部は県内唯一の存在として、校内外で活発な演奏活動を行っています。キリスト教系の学校として、入学礼拝、イースター礼拝、花の日礼拝、収穫感謝礼拝、宗教改革記念礼拝、クリスマス礼拝、卒業礼拝など、多くの礼拝行事が行われるのが特徴です。また、文化祭であるミッション祭、運動会やスポーツ祭、修学旅行に加え、希望者を対象とした短期・長期の海外研修や留学プログラムも用意されており、国際感覚を養う機会が提供されています。毎年クリスマスに開催される「市民クリスマス」や「メサイヤ」演奏会は、学校だけでなく地域にも開かれた伝統的な行事となっています。

金沢市飛梅町に位置し、金沢駅からは北陸鉄道バスを利用して「出羽町」停留所まで約15分、そこから徒歩約1分というアクセスです。金沢ふらっとバス「飛梅町」停留所からもすぐ近くです。

これまでに、女優の田中美里氏、声優の能登麻美子氏、プロバスケットボール選手の大倉颯太氏など、様々な分野で活躍する卒業生を輩出しています。

北陸学院中学校・高等学校は、創立以来のキリスト教精神に基づいた教育を核に、歴史と伝統を大切にしながら、時代に即した教育を展開し、生徒たちの可能性を拓いています。

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