金沢ふらっとバス

金沢ふらっとバス：金沢の町並みを巡る快適なコミュニティバス

金沢市中心部は、歴史的な町並みが魅力ですが、細い路地が多く、一般的な路線バスが通行できない場所も存在します。この課題を解決するため、1997年に金沢市はコミュニティバスの導入を検討。その結果、1999年から順次運行を開始したのが、現在親しまれている「金沢ふらっとバス」です。

バリアフリーと利便性を両立

「ふらっとバス」の愛称は、段差のないノンステップバスであること、そして気軽に利用できる料金体系から名付けられました。高齢者や障がい者の方々にも優しく、観光客にとっても町を散策するのに便利な交通手段となっています。

金沢の街を循環する4路線

現在、金沢ふらっとバスは4路線が運行されています。それぞれの路線は、金沢の主要な観光スポットや生活エリアを環状に巡る設計となっており、効率的な観光や日常生活の足として活用できます。

此花ルート: 金沢駅から北部を循環し、歴史地区や文化施設を巡ります。
菊川ルート: 香林坊から南東部を循環し、現代アート施設や病院などを結んでいます。
材木ルート: 武蔵ヶ辻・香林坊から東部を循環し、兼六園や伝統的な町並みを巡ります。
長町ルート: 武蔵ヶ辻・片町から西部を循環し、落ち着いた雰囲気のエリアや観光スポットを巡ります。

各ルートの詳細な経路や時刻表は、公式サイトで確認できます。

運賃体系と利用方法

運賃は均一料金で、大人100円、子ども50円と大変リーズナブルです。ICカードや1日フリー乗車券、さらにはまちPの100円券も利用できます。また、スマートフォンアプリ「のりまっし金沢」でも乗車券を購入可能です。

運行状況と今後の展望

金沢ふらっとバスは、運行開始以来多くの市民や観光客に利用されてきました。しかし、近年は運転手不足の影響もあり、運行間隔が変更されるなど課題も抱えています。2021年度の利用客数は49万6千人と、ピーク時の80万人（2010年度）から減少傾向にあります。

一方、バスロケーションシステム「バスキャッチ」の導入など、利便性向上のための取り組みも進められています。金沢市の発展と観光の活性化に貢献するため、今後も運行体制の維持・改善、さらなる利便性向上への取り組みが期待されます。

車両について

開業当初はフォルクスワーゲンをベースとした小型ノンステップバスが導入されましたが、現在は日野・ポンチョが全路線で運行されています。環境への配慮やメンテナンスの容易さなども考慮された結果でしょう。

金沢ふらっとバス：観光と生活を支える存在

金沢ふらっとバスは、単なる交通手段を超え、金沢の観光と生活を支える重要な役割を担っています。歴史的な町並みを巡る観光客、日常生活を送る市民、どちらも快適に利用できるサービスとして、今後もその存在感はますます大きくなるでしょう。今後、さらなる利用者増加とサービス向上が期待されます。

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