北陸鉄道モハ2000形電車

北陸鉄道モハ2000形電車

北陸鉄道モハ2000形電車は、1950年に金沢市内線で使用する目的で導入された路面電車です。全長10.5メートル、全幅2.2メートルの小型車両で、その特長的なサイズから、戦後製造されたボギー電車の中でも特に小柄な存在でした。この車両は、当初10両が近畿車輛によって製造され、2001号から2010号までの番号が付けられました。

1967年に金沢市内線が廃止されると、10両全ては名古屋鉄道に譲渡され、ここでモ550形電車として改称されました。この譲渡によって、名鉄岐阜市内線においても長らく使用されることとなりました。当時、岐阜市内の急曲線や狭い路線に対処するため、通常は二軸単車が主に運用されていましたが、モハ2000形の導入により、その状況は一変しました。

名鉄での運用

モハ2000形は、名鉄での運用にあたり、急曲線対応のための性能を活かし、1960年代の岐阜市内線でのボギー車化を進める重要な役割を果たしました。それにより、広幅・大型車体のボギー車が入線しやすくなり、効率的な輸送が実現しました。長良北町系統では、1988年に廃止されるまでこの形式が主役として活用されました。

改造と淘汰

1974年には、名鉄の他の車両と同様にワンマン運転へと改造され、同時に集電装置も交換されました。これにより、よりスムーズで効果的な運行が行えるようになりました。しかし、時が経つにつれ、モハ2000形も次第に老朽化が進行していきました。1977年にはモ555が事故により廃車となり、その後も順次淘汰が進みました。1988年の岐阜市内線の廃止に伴い、モ552とモ557が廃車となりました。

1994年にはさらに3両（モ553・554・558）が廃車となり、1997年には新しいモ780形の導入にあたり、残った3両（モ550・551・556）も姿を消しました。こうして、モハ2000形は名鉄の中での歴史を終え、それでもなお、多くの鉄道ファンの心に残る存在となりました。

まとめ

北陸鉄道モハ2000形電車は、戦後の車両製造における一時代を代表する存在であり、金沢市内線での活躍と名鉄への譲渡後も、その存在は岐阜の鉄道史において重要な位置を占めています。初の小型ボギー車として、都市交通の変遷に寄与したこの電車は、今もなお多くの人々に思い出される存在です。

もう一度検索