北陸鉄道モハ2100形電車

北陸鉄道モハ2100形電車

北陸鉄道モハ2100形電車は、1950年から1951年にかけて製造され、主に金沢市内線で運行されていた路面電車です。この車両は、前中扉構造の半鋼製車体を備えた四軸ボギー車であり、新製当初から集電装置としてパンタグラフが採用されていました。全長は11,200mm、全幅は2,200mm、全高は3,868mm、自重は約13トンです。また、電動機はMT-60A型で、出力は37.3kWのものが2基搭載されていました。定員は70人で、うち座席は30人です。

製造と運用経歴

この形式は、1950年（昭和25年）から1951年（昭和26年）の間に広瀬車両で新造され、モハ2101から2112の全12両が生産されました。北陸鉄道においては、1967年に同線が廃止されるまで運用が続きました。廃止時には12両中、モハ2107が名古屋鉄道へ譲渡されました。これはその後、名鉄モ550形電車やモ560形電車として新たな役割が与えられました。

名古屋鉄道での改造と運用

名古屋鉄道に譲渡された際、モハ2107はモ530形（第2代）531と改名・改番されました。また、この時に集電装置がパンタグラフからビューゲルに変更され、1968年から運行を開始しました。1973年にはワンマン運転のための改造が実施され、その際に集電装置がZ型パンタグラフに戻されました。モ530形531は岐阜市内線および美濃町線で使用されましたが、名古屋鉄道における導入数は1両のみであったため、その保守部品の確保に苦労しました。

終焉と廃車

名古屋鉄道は1976年にモ870形が導入されたことに伴い、モ530形531を代替として廃車処分しました。これにより、モハ2100形電車の歴史は幕を閉じることとなりました。

主要諸元

• - 全長: 11,200mm
• - 全幅: 2,200mm
• - 全高: 3,868mm
• - 自重: 13.0t
• - 台車: 近畿車輛 Brill型
• - 電動機: MT-60A
• - 出力: 37.3kW × 2
• - 車体構造: 鋼製
• - 定員: 70人（座席30人）

北陸鉄道モハ2100形電車は、その短い運用期間ながら、北陸地方の公共交通機関の一翼を担っていた重要な存在でした。また、その後の名古屋鉄道での使用は、地域の交通網の歴史の一部として記憶されています。

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