北陸鉄道モハ2200形電車

北陸鉄道モハ2200形電車の概要

北陸鉄道モハ2200形電車は、1956年から1958年にかけて北陸鉄道が金沢市内線用に製造した路面電車の系列です。当初は2201号から2206号までの6両が日本車輌製造によって製造されました。これらの電車は、運行のスタート後すぐに地域の交通に寄与し続けましたが、北陸鉄道金沢市内線が1967年に全線廃止されると、余剰となったこれらの車両は名古屋鉄道（名鉄）に譲渡され、モ560形電車として再利用されることになりました。

経歴

北陸鉄道時代 (1956 - 1967年)

モハ2200形は、金沢市内線の運用のために製造された車両で、初期に投入された5両（2201 - 2205号）は1956年から1957年、最後の1両（2206号）は1958年に完成しました。金沢市内線は利用者にとって重要な交通手段であり、モハ2200形は地域の生活を支える存在でした。しかし、1967年に全線が廃止されると、これらの車両は名鉄岐阜市内線に移籍することが決まりました。

名鉄時代 (1968 - 1988年)

名鉄に移ったモハ2200形は、集電装置をパンタグラフからビューゲルに変更され、1968年4月から岐阜市内線での運用が開始されました。1973年にはワンマン運転に対応するため改造が施され、集電装置も新たにZ型パンタグラフに変更されました。この時期、モハ2200形は主に伊奈波通と長良北町を結ぶ区間で運用されていました。その後、1993年には一部の車両が廃車となり、1988年には残るすべての電車が廃車となり、名鉄での存在に終止符を打ちました。

福井鉄道時代 (1989 - 2006年)

廃車後の1989年、モハ2200形の1両（モ562）は福井鉄道に譲渡されます。福井鉄道では、これを福武線の専用車両として利用することが計画されました。1990年代には主にイベント運行に使用され、2004年には福井大学との共同実験においても活用されました。

引退後の状況

モ562は廃車後、解体にされる危機に直面しましたが、金沢市のジェイアール貨物によって保存が決まります。2006年には金沢に移送され、その後静態保存が行われました。残るモ564およびモ563もそれぞれ異なる経緯で保存されていますが、老朽化などの問題があるため、注意が必要です。

主要諸元

モハ2200形の主要な仕様として、全長は11,200mm、全幅2,200mm、全高4,000mmで、自重は13.5tです。定員は70人（座席数40人）で、台車は日本車輌製造のNS 7を使用しています。電動機にはTDK526-3Bを採用し、出力は22.4kW×4とされています。

このモハ2200形電車は、北陸鉄道や名鉄、福井鉄道といった異なる地域での歴史を持つことから、地域の交通手段の変遷を考える上で重要な存在であり、その保存活動にも多くの人々が関与しています。

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