北青州

北青州（ほくせいしゅう）

北青州は、中国にかつて存在した州であり、東晋から南北朝時代にかけて、現在の山東省一帯に設置されていました。

歴史

東晋の時代

晋が南遷し、元帝が長江を渡ると、広陵県に青州が僑置されました。これは、故郷を離れた人々が一時的に居住する場所に行政機関を設置する措置でした。

南燕の滅亡と北青州の成立

409年（義熙5年）、東晋の武将である劉裕による北伐によって南燕が滅ぼされると、新たに北青州が設置され、州治（州の行政中心地）は東陽城に置かれました。これに伴い、広陵に置かれていた青州は南青州と改称されました。その後、南青州は廃止され、北青州が青州として存続することになりました。

南朝宋の時代

455年（孝建2年）、南朝宋は青州の州治を歴城に移しました。しかし、464年（大明8年）には、青州の州治は再び東陽城に戻されました。469年（泰始5年）、北魏の将軍である慕容白曜の南征によって東陽城が占領され、南朝宋は淮北の地を失ったため、青州は鬱洲に僑置されることになりました。

南朝梁の時代

南朝梁の時代にも、北青州が置かれました。524年（普通5年）、武帝は元樹を平北将軍・北青兗二州刺史に任命し、軍を率いて北伐を命じました。528年（大通2年）には、北魏の北青州刺史であった元世儁が南朝梁に降伏するという出来事がありました。しかし、549年（太清3年）には、南朝梁の北青州刺史であった王奉伯が東魏に降伏するという事態が発生しました。

このように、北青州は、その成立から南北朝時代にかけて、南朝と北朝の間で激しい争奪が繰り広げられた地域であり、その州治も頻繁に移転しました。この地域の支配権の変遷は、当時の政治情勢を反映するものとして、歴史的に重要な意味を持っています。

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