医務技監

医務技監について

医務技監（Chief Medical and Global Health Officer）は、日本の厚生労働省に置かれる次官級の官職であり、保健医療分野における重要施策を統括する役割を担っています。この役職は、厚生労働省設置法の一部改正により、2017年7月に新設されました。

医務技監の役割と職務

医務技監は、厚生労働大臣の命を受け、厚生労働省が所掌する事務のうち、医学的知見を活用する必要がある技術的な事項を統括します。具体的には、以下の点が挙げられます。

保健医療分野の重要施策の推進: 近年、急速に進歩するヒトゲノム解析や人工知能などの技術を背景に、保健医療分野の課題は複雑化しています。医務技監は、これらの課題に対し、関係部局と連携し、迅速かつ効果的に対応するためのリーダーシップを発揮します。
国際保健分野での貢献: エボラ出血熱のような公衆衛生危機や、高齢化対策などの重要性が高まる中、医務技監は、国際保健分野における日本の貢献を推進する中心的な役割を担います。
専門的知見の活用: 医務技監は、医学的知見に基づいて政策決定を支援するため、医師の資格を持つ医系技官が任命されます。

内閣感染症危機管理対策官との兼務

2023年9月1日には、内閣感染症危機管理統括庁に内閣感染症危機管理対策官が創設され、この役職には厚生労働省の医務技監が充てられることとなりました。これにより、医務技監は、感染症危機管理においても重要な役割を担うことになります。

医務技監創設の経緯

医務技監の創設は、厚生労働省の所掌事務をより的確に遂行するための措置として行われました。以下に、その経緯をまとめます。

2017年2月7日: 改正厚生労働省設置法案が閣議決定され、国会に提出されました。
2017年4月19日: 衆議院厚生労働委員会で法案の提案理由説明が行われ、その後質疑を経て、原案通り可決されました。
2017年4月28日: 衆議院本会議で可決され、参議院に送られました。
2017年6月6日: 参議院厚生労働委員会で法案の提案理由説明が行われ、その後質疑を経て、原案通り可決されました。
2017年6月9日: 参議院本会議で可決、成立し、医務技監が新設されることとなりました。

関連役職

医務技監に関連する役職として、以下のものが挙げられます。

軍医総監: 軍隊における医療部門の最高責任者。
主席医務官 (Chief Medical Officer, CMO): 各国や組織における医療部門の責任者。



医務技監は、日本の保健医療行政において、専門的な知見とリーダーシップを発揮し、国民の健康と福祉に貢献する重要な役割を担っています。

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