医王寺 (鹿沼市)

栃木県鹿沼市の歴史ある寺院：医王寺

医王寺は、栃木県鹿沼市に鎮座する真言宗豊山派の寺院です。古くから人々の信仰を集め、歴史と文化を深く刻み込んだ由緒ある寺院として知られています。

創建と歴史

医王寺の創建年代については、勝道上人による765年（天平宝字9年）とする説と、弘法大師空海による809年（大同4年）とする説があり、諸説あります。しかし、本尊である薬師如来坐像が平安時代後期のものと推定されていることから、少なくとも平安時代後期までには既に寺院として存在していたと考えられます。

鎌倉時代以降は、「東高野山」という山号を冠し、盛名を博しました。その隆盛ぶりは、数多くの寺宝の存在からも窺い知ることができます。寛永年間（1624年～1644年）には火災に見舞われましたが、その後復興を果たし、現在に至っています。幾多の困難を乗り越えてきた歴史は、医王寺の強さと信仰の深さを物語っています。

貴重な文化財

医王寺は、数多くの貴重な文化財を所蔵しています。これらは、寺院の歴史と文化を伝える重要な資産であり、多くの人々を魅了しています。

栃木県指定有形文化財だけでも、木造薬師如来坐像、理趣経版木、医王寺金堂、医王寺本堂内春日厨子、医王寺唐門、医王寺大師堂、銅製鰐口、般若心経版木、黒塗椽杉板襖絵、銅造地蔵菩薩半跏像、医王寺宝篋印塔、医王寺五輪塔、木造聖徳太子像、金銅誕生仏像、金銅透彫華籠、金銅透彫華鬘、医王寺客殿、医王寺講堂、木造弘法大師坐像、木造狛犬、金銅五鈷杵、木造金剛力士立像、木造不動明王及二童子像、木造吉祥天立像、木造毘沙門天立像、木造薬師如来及び両脇侍像、木造十一面観音菩薩立像、木造弥勅菩薩坐像、法要仏具など、実に多くの仏像や建築物、経典などが含まれています。

さらに、鹿沼市指定有形文化財として、木造十二神将立像、算額、附法状、医王寺半鐘なども大切に保存されています。これらの文化財は、単なる古美術品ではなく、日本の歴史と文化を理解するための貴重な資料と言えるでしょう。

静寂に包まれた境内林

医王寺の境内には、広大な境内林が広がっています。樹齢約800年というカヤの大木をはじめ、アカマツやコナラなどの樹木が茂り、豊かな自然環境を形成しています。この境内林は、栃木県により医王寺緑地環境保全地域に指定されており、その自然美と歴史的価値は高く評価されています。静寂に包まれた境内林は、訪れる人々に安らぎと癒やしを与えてくれるでしょう。

アクセス

医王寺へのアクセスは、東北自動車道都賀ICから車で約15分です。四季折々の自然に囲まれた環境の中で、歴史と文化に触れることができる貴重な場所となっています。

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