医療環境管理士

医療環境管理士（いりょうかんきょうかんりし）

医療環境管理士は、内閣府認証特定非営利活動法人日本医療環境福祉検定協会（Japan Medical Environment Care Association、略称: JMEC）によって認定される、感染管理分野の民間資格です。主に病院をはじめとする医療現場における院内感染の予防、さらには医療に伴って発生する廃棄物の適正な管理に関する専門知識と実践的なスキルを有することを証明するもので、協会が定める一定の要件、特に資格試験への合格を満たした者に対して資格が付与されます。

資格の概要と役割

この資格の取得を通じて、医療現場で働く人々は感染管理に関する専門性を深めることができます。資格名称を保持することは、その分野の専門家としての信頼性を高め、院内感染対策チームなどの中で指導的な立場を担う上での助けとなります。資格取得者は、医師や看護師以外のコ・メディカル職、病院の管理部門、製薬企業など、医療に関連する様々な分野で活躍しています。

医療環境管理士は、多岐にわたる職種や部門のスタッフと緊密に連携しながら、組織全体の感染管理体制の構築と維持に貢献します。信頼される専門家として、医療現場で求められる感染予防対策に関する最新の知識と技術を活用し、新型インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、高齢化の進展に伴うリスク、薬剤耐性菌の増加といった、現代医療が直面する複雑な感染リスクに対応します。具体的な活動としては、感染管理に関するガイドラインの策定、職員向けの研修プログラムの実施、感染事例発生時の原因究明と対策立案などを担います。

この資格を持つ人々は、専門分野や年齢、役職、勤務する施設の規模など、多様な背景を持っています。そのため、様々な視点から医療現場の課題を捉え、多施設での取り組みや成功事例を参考にしながら、各施設の状況に合わせた柔軟かつ効果的な感染対策の提案や支援を行うことが期待されています。

資格試験について

医療環境管理士の資格を取得するためには、所定の試験に合格する必要があります。試験の概要は以下の通りです。

試験時期：年間2回（例年2月と8月頃に実施）
試験会場：主に東京、名古屋、大阪、福岡の主要都市で実施
試験時間：3時間
検定料：21,000円
合格基準：合計300点満点中、210点以上をもって合格とされます。試験は選択式（200点）と記述式（100点）で構成されます。
合格率：過去の実施状況では概ね50%程度となっています。

その他の感染管理関連の資格・組織

感染管理分野には、医療環境管理士の他にも様々な専門資格や、組織内の取り組みを推進するチーム・委員会が存在します。

感染症専門医
インフェクションコントロールドクター（ICD）
感染制御専門薬剤師（ICPM）
感染管理歯科衛生士（ICDH）
感染制御認定臨床微生物検査技師（ICMT）
感染管理介護福祉士（ICCW）
滅菌技師/士（第一種・第二種）
医療福祉環境アドバイザー
院内感染対策チーム（感染制御チーム・感染対策チーム）
院内感染対策委員会（感染制御委員会・感染対策委員会）

これらの資格や組織は、それぞれ異なる専門性や役割を持ちつつ、医療現場における感染対策の質の向上を目指して活動しています。

（参照元：日本医療環境福祉検定協会ウェブサイト情報より）

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