十一試水上中間練習機

十一試水上中間練習機について

十一試水上中間練習機（じゅういちしすいじょうちゅうかんれんしゅうき）は、大日本帝国海軍のために設計された水上練習機です。この機体は、川西航空機（略称K6K）と渡辺鉄工所（略称K6W）によってそれぞれ試作されました。開発は1936年2月に始まり、当時の航空技術の発展を背景に、水上中間練習機の性能向上を目的として進められました。

機体の開発

1936年の初め、海軍は水上中間練習機の新たな試作を指示しました。この命令に基づき、川西と渡辺はそれぞれ異なるアプローチで機体の設計に取り組みました。川西航空機は1937年の2月にK6Kの設計を開始し、試作一号機は1938年の4月30日に初飛行を果たしました。一方、渡辺鉄工所でも1936年4月から設計が始まり、同じく1938年の2月に試作機が完成しました。最終的に、いずれの機体も3機ずつが製造されました。

性能の向上

K6KおよびK6Wは、九三式水上中間練習機の改良版として位置づけられ、それぞれに先行機の開発経験が盛り込まれています。K6Kには九四式水上[[偵察機]]の技術が、K6Wには九六式小型[[水上機]]やシャム国海軍向けの水上偵察機の知見が反映されています。しかし、両機とも着水時の安定性には課題があり、九三式水上機と比べて劣っていました。このため、1940年1月までに機体の改造が試みられましたが、性能改善は限定的であり、最終的に開発は中止されることとなりました。

諸元

K6K

• - 全長：9.3 m
• - 全幅：12.2 m
• - 全高：4.0 m
• - 自重：1,300 kg
• - 全備重量：1,800 kg
• - エンジン：中島 寿二型改一空冷星型9気筒（出力580 hp）× 1
• - 最大速度：232 km/h
• - 航続時間：6時間
• - 乗員：2名

K6W

• - エンジン：中島 寿二型改一または改二空冷星型9気筒（出力580 hp）× 1
• - 武装：

- 7.7mm固定機銃 × 1
- 7.7mm旋回機銃 × 1
- 30kg爆弾 × 2 または 10kg爆弾 × 4

• - 乗員：2名

結論

十一試水上中間練習機は、日本の航空機開発史における重要な試みの一つでしたが、設計段階での課題や性能の改善の限界により、最終的には開発が断念される結果となりました。この機体の開発を通じて得られた知見は、今後の航空機プロジェクトにおいて貴重な経験となったことでしょう。

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