十上経

『十上経』について

『十上経』（じゅうじょうきょう）は、パーリ仏典の中で長部に位置付けられる経典の一つで、正式には「Dasuttara-sutta」と呼ばれます。この経典は、釈迦の教えが中心テーマとなっており、特にサーリプッタ（舎利佛・舎利子）が対話の中で重要な役割を果たしています。『十増経』という呼び名でも知られ、仏教の教義を深く理解するための貴重な資料とされています。

内容の要約

本経典は、比丘（僧侶）のグループが集まっている場面から始まります。このとき、釈迦はアンガ国のチャンパーにおいて、500人の比丘と共に滞在していました。サーリプッタは、この機会に参加者へ向けて教えを授けることを決意します。

教えの大きな柱は、さまざまな法の要素に関するもので、具体的には次のように構成されています：

• - 1つの要素から成る法：10
• - 2つの要素から成る法：10
• - 3つの要素から成る法：10
• - 4つの要素から成る法：10
• - 5つの要素から成る法：10
• - 6つの要素から成る法：10
• - 7つの要素から成る法：10
• - 8つの要素から成る法：10
• - 9つの要素から成る法：10
• - 10の要素から成る法：10

このように、合計100の法がサーリプッタによって説かれ、比丘たちはその内容に深い感銘を受けます。全ての説明が終わると、参加者は歓喜に包まれ、教えの深みを感じる機会となります。

教えの背景と重要性

『十上経』の重要性は、仏教における法の理解を促進し、教義の多様性を示す点にあります。異なる要素を持つ法を理解することで、比丘たちは自身の修行を深め、仏教徒として成長するための指針を得ることができます。この経典は、釈迦の教えの一部を担う重要な文化遺産であり、今日でも多くの人に影響を与え続けています。

関連書籍と資料

『十上経』の日本語訳や解説は、以下の資料で確認できます：

• - 『南伝大蔵経・経蔵・長部経典3』（第8巻） 大蔵出版
• - 『パーリ仏典 長部（ディーガニカーヤ） パーティカ篇II』 片山一良訳 大蔵出版
• - 『原始仏典 長部経典3』 中村元監修 春秋社

また、関連項目にはサーリプッタや増支部（[増一阿含経]]）があります。さらに深く知りたい方は、外部リンクの「[Dasuttarasuttaṃ - Tipitaka.org」を訪れることをおすすめします。

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