十二夜 (1996年の映画)

『十二夜』（Twelfth Night: Or What You Will）は、ウィリアム・シェイクスピアの同名戯曲を基に、1996年に製作されたイギリス映画です。この映画は、シェイクスピア劇特有の複雑な人間関係と、愛の錯綜を巧みに描き出しています。舞台はイリュリアという架空の地で、登場人物たちが織りなす喜劇的な展開が見どころです。

物語の中心となるのは、双子の兄妹であるヴァイオラとセバスチャンです。彼らは船の難破によって離れ離れになってしまいます。ヴァイオラは男装し、「セザーリオ」と名乗ってオーシーノ公爵に仕えることになります。一方、セバスチャンは行方不明のままです。

ヴァイオラが仕えるオーシーノ公爵は、美しい伯爵令嬢オリヴィアに恋をしています。しかしオリヴィアは、悲しみに暮れており、求愛を受け入れません。さらに物語は複雑に絡み合い、オリヴィアはセザーリオ（実はヴァイオラ）に恋をしてしまいます。この三角関係に加え、オリヴィアの屋敷では、騒がしい従兄弟のサー・トビー・ベルチや、彼に加担するサー・アンドリュー・エギュチークたちが、騒動を巻き起こします。彼らは、オリヴィアの執事マルヴォーリオにいたずらを仕掛け、物語はさらに混沌としていきます。

映画では、イモジェン・スタッブスが男装のヴァイオラ、ヘレナ・ボナム＝カーターがオリヴィアを演じ、それぞれのキャラクターを見事に表現しています。また、オーシーノ公爵役のトビー・スティーブンス、道化フェステ役のベン・キングズレー、執事マルヴォーリオ役のナイジェル・ホーソーンなど、実力派俳優たちが脇を固め、物語に深みを与えています。

この映画の魅力は、登場人物たちの個性的なキャラクターと、愛と勘違いが入り混じる複雑なストーリー展開にあります。また、シェイクスピア劇ならではの美しい言葉遣いと、コミカルな要素が巧みに融合しており、観客を飽きさせません。

映画『十二夜』は、シェイクスピア劇の面白さを現代に伝えるだけでなく、人間の愛と欲望、そして人生の機微を深く考えさせる作品です。

主なキャスト
ヴァイオラ：イモジェン・スタッブス（日本語吹替：沢海陽子）
セバスチャン：スティーヴン・マッキントッシュ（日本語吹替：坂東尚樹）
オリヴィア：ヘレナ・ボナム＝カーター（日本語吹替：児玉孝子）
オーシーノ公爵：トビー・スティーブンス（日本語吹替：森田順平）
フェステ：ベン・キングズレー（日本語吹替：塚田正昭）
マルヴォーリオ：ナイジェル・ホーソーン（日本語吹替：岩田安生）
サー・アンドリュー・エギュチーク：リチャード・E・グラント（日本語吹替：納谷六朗）
サー・トビー・ベルチ：メル・スミス
マライア：イメルダ・スタウントン
アントニオ：ニコラス・ファレル
フェビアン：ピーター・ガン

外部リンク
十二夜 - allcinema
十二夜 - KINENOTE
Twelfth Night - オールムービー（英語）
* Twelfth Night: Or What You Will - IMDb（英語）

もう一度検索