十和田観光電鉄線

十和田観光電鉄線の概要

十和田観光電鉄線（とわだかんこうでんてつせん）は、青森県三沢市の三沢駅から十和田市の十和田市駅を結ぶ鉄道路線であり、2012年4月1日に運行を終了し廃線となりました。

路線の特色

この路線は、全長14.7kmで、全線単線の構造です。主に稲生川に沿った形で敷設されており、途中に無人駅が多く存在しました。利用客は、乗車時に整理券を受け取る形で運賃を支払うワンマン運転制を採用し、乗車券が必要な起終点駅でのみ改札が行われる独特の運営スタイルを採用していました。カスタマーの流れは、平日の1日17往復、土日の場合は1日12往復の運転スケジュールが組まれていました。

利用状況と廃線の背景

1970年に年間165万人を超えた乗客数は、2000年代に入ると徐々に減少し、東北新幹線の開業によりさらに悪化しました。また、2011年の東日本大震災の影響で、関連事業も経済的に打撃を受け、財政は厳しくなりました。自治体への資金援助の要請が拒否されるなど、経営の見通しが立たない状況が続き、遂に2012年4月1日付けでの廃線が決定されました。

廃止直前の運行状況

最終日にあたる2012年3月31日には、臨時ダイヤが組まれ、通常の各駅停車と「鉄道営業最終列車」と称した特別列車が運行され、多くの利用客が見送りに訪れました。最終列車は三沢21時0分発、十和田市21時31分着の運行で、これがこの路線の最終の運行となりました。

鉄道代替バスの運行

十和田観光電鉄線廃止後は、同社によって鉄道代替バス、「十和田三沢線」が運行されています。このバスは、廃線区間を結び、鉄道よりも利便性が向上したとされる部分もあります。なお、元の鉄道の終点だった十和田市駅のバス停は2016年に廃止されました。

歴史的背景

この鉄道は1922年に開業し、当初は十和田鉄道として始まりました。後の改軌・電化によって、さまざまな車両が導入され、運営が続きました。特に、車両の現代化やワンマン運転開始なども行われ、時代に応じたサービスの向上が図られてきました。しかしながら、最終的な流れとして、経済的な側面から廃止に至ったことは多くの関係者にとって痛手であったといえるでしょう。

結論

十和田観光電鉄線は、地域の重要な交通手段であったものの、経営的な困難や新幹線の影響により、幕を閉じることとなりました。その思い出とともに残るこの路線は、今後も地域の未来において何らかの形でその歴史が語られていくことになるでしょう。

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