十和田市駅

十和田市駅の概要

十和田市駅（とわだしえき）は、青森県十和田市の東一番町に位置していた十和田観光電鉄線の駅でした。かつての繁華な鉄道の拠点でもありましたが、廃線に伴い2012年4月1日にその歴史に幕を閉じました。

歴史

この駅は1922年9月5日に三本木駅として開業しましたが、1969年に十和田市駅へ改名されました。その後、1985年に駅機能が新設された「とうてつ駅ビル」に移転し、古い駅舎では引き続き貨物取扱が行われましたが、1986年には貨物業務が終了。2002年には、駅の独自性が評価されて東北の駅百選に選ばれるなど、地域の重要な交通拠点としての役割を果たしていました。

2005年以降、周辺の開発が進み、古い駅舎や十和田観光電鉄の本社が解体されるなど、再開発の波が訪れました。2007年には駅ビル内の多くのテナントが撤退し、2008年には新たな会社による駅の管理が始まりました。しかし、2012年の鉄道廃止により、鉄道による交通アクセスが失われました。

駅の構造

十和田市駅は、単式ホーム1面1線を擁する地上駅でした。駅舎は複合型商業ビルにあり、出札窓口や改札口は2階に設置されていました。また、駅舎とホームを結ぶ連絡通路は、稲生川と道路をまたいで設けられていました。社員配置駅で、各種の乗車券や鉄道グッズが販売されており、地域の人々に親しまれる場所でもありました。

駅周辺とバス路線

周囲にはバス路線がHubとして機能しており、十和田観光電鉄及び南部バスが運行されていました。駅が廃止された後も、一時的に「十和田市駅」と名付けられた停留所が利用されることがありましたが、2016年にその名称自体も廃止されました。代わりに「元町東」など新しい停留所名が付けられ、地域の交通需要に応えていきました。

再開発の試み

駅ビルの再開発計画は、2000年代に始まりましたが、様々な理由により苦難の道を歩みました。大和システムとの契約が結ばれるものの、最終的には計画が凍結され、2012年3月末には駅の鉄道機能が停止されました。その後、地元の不動産会社が開発を引き継ぎ、2014年にはスーパーのチェーンであるユニバースに買収され、ようやく新たな商業施設が立ち上がる運びとなりました。

現在とその後

現在、かつての駅ビルは大型商業施設として再利用され、「ユニバース十和田東ショッピングセンター」が開店しています。また、駅そばとして知られる飲食店も近隣で引き続き営業を行っています。十和田市駅の存在は、地域の歴史や文化に深く根付いており、廃駅となった今でも多くの人々の記憶に留まっています。

まとめ

十和田市駅は、開業から廃駅となるまでの多くの歴史的変遷を経て、地域に影響を与えてきた重要な地点でした。現在の経済活動や地域の交通機関に関しても、かつての駅舎の影響が色濃く残っています。

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