十日町市立里山科学館 越後松之山「森の学校」キョロロ

十日町市立里山科学館 越後松之山「森の学校」キョロロ

十日町市立里山科学館キョロロは、新潟県十日町市松之山口に位置する独自の博物館です。この施設は、1990年代から具体化された「ニューにいがた里創プラン」と「妻有郷アートネックレス整備構想」の一環として整備され、6市町村それぞれに拠点となる文化施設が設けられることとなりました。キョロロは松之山町に設けられたものであり、2003年7月の大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレに合わせて開館しました。2005年には松之山町と十日町市が合併し、十日町市立の施設となりました。

この科学館の注目すべき点は、近隣の里山の自然観察や環境保全に貢献している役割です。建物自体は長さ160メートル、重さ2000トンの耐候性鋼板を使用しており、世界有数の豪雪地帯である松之山の雪の中に埋もれることが特徴です。巨大なアクリルの窓からは、雪の断面を見ることができ、訪れる人々に冬ならではの美しさを提供しています。この施設の設計は、著名な建築家の手塚貴晴さんと手塚由比さんによるもので、ヴェネツィア・ビエンナーレへの出展を通じて国際的に知られるようになりました。

展望室は全高33.49メートルで、30メートルの高さからの景観を楽しむことができます。施設の名称は、合併前の旧松之山町の町の鳥「アカショウビン」の鳴き声にちなんでおり、周辺の森も「キョロロの森」と名付けられています。さらに、当施設を中心に周囲のため池ではアメリカザリガニが繁殖しており、生息範囲が広がっていますが、飼育個体の流出が懸念されているため、駆除活動も行っています。

併設されている「さとやまキッチン」というレストランでは、食文化体験を通じて地域の食材を使用した料理を楽しむことができます。また、キョロロの周囲には「美人林」と呼ばれる美しい森林が広がっており、自然を満喫できるスポットとしても訪れる価値があります。

交通アクセスも便利で、北越急行ほくほく線のまつだい駅から東頸バスに乗り、松之山温泉行きで15分の場所にある「堺松」で降りると、徒歩20分で行けます。冬季には「松之山分校前」で下車し、徒歩30分の距離です。また、同駅からは東部タクシーを利用して約15分でアクセス可能です。松之山温泉からは車で10分ほどで、宿泊先によってはツアーが組まれています。無償の駐車場も整備されており、訪れる際の利便性が高いです。

このように、十日町市立里山科学館は単なる博物館に留まらず、自然体感や地域文化の発信の場として機能しています。訪れた人々が自然や環境について深く学び考えることができる貴重な体験を提供しています。

もう一度検索