千々松幸子

千々松幸子について

千々松幸子（ちぢまつ さちこ、1937年11月30日生まれ）は日本の声優およびナレーターで、福岡県門司市出身です。現在は81プロデュースに所属し、幅広いキャリアを誇っています。

経歴

共立女子中学校・高等学校を卒業した後、子供の頃から芝居に興味を持ち、児童劇団に参加して演技に触れてきました。当初はアナウンサーを志望していましたが、自身の声に対して個性が強いと指摘され、それを断念。その後、東京アナウンスアカデミーに在学中にテレビCMに出演したことをきっかけに、ラジオなどのメディアでの活動をスタートさせます。

彼女の声優デビュー作は『魔法使いサリー』のカブ役でしたが、初めてのアフレコの際にはテクニカルな面で難しさを感じ、「やめてしまおうか」と悩ましい思いをしたこともあったそうです。最初のキャリアは青二プロダクションから始まりましたが、後にぷろだくしょんバオバブを設立したメンバーの一人でもあり、キャリアの中でさまざまなプロダクションを経て、最終的に81プロデュースに所属しています。

主な活動

1960年代から幾つものアニメで重要な役を演じ、特に『ドラえもん』の野比玉子役を26年間担当したことで知られています。2005年には番組のリニューアルに伴い降板しましたが、その間、多くのファンに愛され続けました。また、彼女は『ど根性ガエル』でのピョン吉役を演じる際には、これまでの優雅な声質と異なる激しいセリフに驚き、困難を感じたこともありました。

家族とプライベート

千々松は家庭を持ち、夫と二人の子供がいます。第一子を妊娠中の際には共演者から「お腹の子がしゃべっているのか？」とからかわれたことも。出産後は声質の変化に苦しみながらも、自身の声を取り戻す努力を続けました。また、1978年から短歌の活動を行い、2002年には自身の歌集『宇宙霧』を出版しました。彼女が『ドラえもん』の母親役を演じる際には、作品内でのエピソードに自身の詩を取り入れるなど、深い思い入れを示しています。

人柄

声域は「軽快なアルト」から「キュートなメゾソプラノ」に変化するなど、その多彩な声色で多様なキャラクターを演じ分けています。また、彼女の趣味は俳句や短歌、読書など多岐にわたり、旅行も好きです。声優でなければ、父親と同じような調査関係の仕事をしていたかもしれないと語っています。

主な声優活動

彼女の出演作には、アニメ、映画、劇場アニメ、ゲーム、ドラマCDなど多岐にわたります。特に『魔法使いサリー』や『ど根性ガエル』など数多くの名作に出演し、その名演は今も多くの人に記憶されています。

受賞と評価

2016年には第10回声優アワードで功労賞を受賞し、業界内外での彼女の貢献が評価されました。千々松幸子はその独自の声とキャラクター表現で日本の声優界において長年にわたり多大な影響を与え続け、語り継がれる存在となっています。

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