千屋菊次郎

千屋菊次郎

千屋菊次郎（ちや きくじろう）は、天保8年（1837年）に生まれ、元治元年（1864年）に没した幕末の尊王攘夷運動家です。千屋金策は弟、千屋熊太郎は従弟にあたります。本名は孝健、通称は菊次郎または栄といいました。身長が6尺（約180cm以上）もあったという大柄な人物でした。

生涯

土佐国安芸郡和食村（現在の高知県芸西村和食）で、庄屋・千屋孝則の三男として生まれました。嘉永2年（1849年）に父の赴任に伴い、高岡郡半山郷（現在の高知県津野町）へ移り住みます。

万延元年（1860年）には大坂へ出て藤沢東畡に漢学を学び、翌文久元年（1861年）には伊勢に移り土井聱牙の塾で学びました。同年冬に土佐へ帰郷し、武市瑞山らが結成した土佐勤王党に参加します。文久2年（1862年）には武市らと共に上京し、尊攘派の運動に関わりました。同年9月23日の江州石部事件や、11月16日の多田帯刀暗殺にも関与したとされています。

文久3年（1863年）8月に土佐へ戻りますが、宮部鼎蔵と書簡を交わし、同年9月22日夜には上岡胆治、那須俊平、松山深蔵らと共に脱藩し、長州へ渡りました。周防国三田尻の招賢閣にて諸藩の尊攘派志士と交流し、七卿の護衛も務めます。三条実美の命により、清岡公張と共に水戸へも赴きました。

元治元年（1864年）の禁門の変では、長州藩の忠勇隊に所属し、境町御門付近で薩摩藩・会津藩の兵と交戦しました。その後、天王山へ逃れ、真木保臣ら16名と共に自害しました。

明治24年（1891年）12月17日、その功績が認められ、従四位を追贈されました。

千屋菊次郎は、短い生涯でしたが、尊王攘夷運動に身を投じ、激動の幕末を駆け抜けた志士の一人として、その名が残されています。

参考文献

寺石正路『南学史』富山房、1934年。
『高知県人名事典』高知市民図書館、1971年。
* 『幕末維新人名事典』学芸書林、1978年。

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