千歳海軍航空隊

千歳海軍航空隊と第七〇三海軍航空隊の歴史

千歳海軍航空隊（ちとせかいぐんこうくうたい）は、1942年11月1日に名称を変更し、第七〇三海軍航空隊（だい703かいぐんこうくうたい）となった日本海軍の部隊です。この部隊は大東亜戦争において、戦闘機部隊や攻撃機部隊として活動していました。その歴史は1939年にまで遡ります。

沿革

千歳空は、1939年10月1日に木更津飛行場で編成され、当初は大湊要港部に属していました。この航空隊は陸上攻撃機部隊の強化を目指して創設され、中国戦線での経験を持つ第十三航空隊の人員や器材を基本に編成されました。当初の戦闘機隊は、主に地上作戦において優れた能力を示したものの、航空母艦への着艦経験は不足していました。

1940年11月には、第四連合航空隊に配属され、陸上攻撃機36機、艦上戦闘機24機という編成になりました。1941年にはさらに戦闘機数が増加し、サイパンやパラオ、マーシャルでの訓練を経て帰還しましたが、戦闘機隊は独ソ開戦の影響で早期に千歳へ戻りました。

1941年12月8日には、大東亜戦争が始まり、千歳空はウェーク島の攻略作戦に参加しました。数度の空襲を実施し、攻略後はウェークを前進基地としました。1942年には、ラバウル空襲に参加し、航空部隊の進出を試みましたが様々な課題に直面しました。特に天候不良や設備の整備不良が影響し、進出の完了は31日となりました。

その後、千歳空はマーシャル諸島への空襲や反撃の任務にも関与しましたが、作戦の中で多くの困難に直面しました。結果的に、1942年4月1日には南洋部隊基地航空隊としての任務を終え、他の部隊にその任務を譲りました。

第七〇三海軍航空隊への改称と解隊

1942年11月1日には、「第七〇三海軍航空隊」に改称しました。その後、陸攻隊には内地帰還命令が出され、全ての機が木更津に戻りました。1942年12月になると、戦闘機隊が解散され、残った人員や機材は別の部隊に統合されることとなりました。最終的には1943年3月15日に解隊され、千歳空は重要な補給基地として利用され続けました。

戦後、千歳飛行場は米軍の管理下に置かれ、1951年からは民間航空にも利用され始めました。1957年からは航空自衛隊に所有権が移行し、1988年に新千歳空港が開業されるまで、重要な交通の拠点として使用されました。

使用機種と歴代指揮官

千歳海軍航空隊では、九六式陸上攻撃機や九六式艦上戦闘機、また一式陸上攻撃機が使用されました。歴代の司令官には、松尾鍉蔵大佐や梅谷薫中佐、大橋富士郎中佐などがいました。特に松尾大佐は初代の司令官として1939年から1940年まで在任し、その後も重要な指揮官が各時期に務めました。

このように、千歳海軍航空隊及び第七〇三海軍航空隊は、戦局の変化に応じた柔軟な対応を求められ、様々な作戦を実施し、戦争の重要な局面で活躍しました。

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