千葉高胤

千葉高胤（ちば たかたね）

千葉高胤は、生没年不詳の鎌倉時代末期から南北朝時代初期にかけての武将です。千葉氏の一門である千田氏の第4代当主にあたります。

人物像

史料が乏しいため、高胤の詳しい人物像については不明な点が多いです。しかし、『雲海山岩蔵寺浄土院無縁如法経過去帳』には、「当郡代々地頭」として、千葉氏一族の歴代当主の中に「高胤」の名が記されており、千葉胤貞と千葉胤平の間に位置づけられています。このことから、高胤は千葉胤貞の長男で、千葉胤平の兄であると考えられています。

また、『中山法華経寺文書』には、「平高胤」という名で、肥前国小城郡の土地を「中山殿」に寄進した記録が残っており、高胤が実在した人物であることは確実です。

諱の「高」の字は、当時の鎌倉幕府執権であった北条高時より偏諱を受けたものと考えられています。北条高時が執権職にあった1316年から1326年の間には生存していたと考えられます。『雲海山岩蔵寺浄土院無縁如法経過去帳』の記述が正しければ、高胤は地頭として小城郡を領していたことが分かります。

しかし、1334年には、弟の千葉胤平が父の胤貞から肥前国小城郡と千田荘、八幡荘の総領職を継承したことが史料で確認できます。そのため、高胤はこの年までに亡くなっていたと推測されます。高胤の死後、家督と小城郡は一旦父である胤貞が継ぎ、その後、弟の胤平に引き継がれたと考えられています。

高胤には、胤親（たねちか）と胤雅（たねまさ）という二人の息子がいたとされています。胤親は原氏の祖、胤雅は高城氏の祖になったと伝えられています。

平高胤寄進状

『中山法華経寺文書』には、高胤が「中山殿」に土地を寄進した際の文書が残っています。その内容は以下の通りです。

肥前国小城郡東方内高胤手取内田地伍町を、中山殿に進上いたします。

八月十三日　　　　　　　　　平高胤上（花押）

進上　中山殿

まとめ

千葉高胤は、鎌倉時代末期から南北朝時代初期にかけての武将であり、千田氏の当主として肥前国小城郡を領有しました。史料が少ないため詳しい生涯は不明ですが、北条高時より偏諱を受け、息子たちがそれぞれ原氏、高城氏の祖になったと伝えられています。

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