升永英俊

升永英俊（ますなが ひでとし）は、1942年生まれの日本の弁護士・弁理士であり、米国のコロンビア特別区およびニューヨーク州の弁護士資格も有する国際的な法律家です。TMI総合法律事務所のシニアパートナーを務め、かつては東京永和法律事務所の代表および東京永和特許事務所の顧問でした。

人物

当初は渉外弁護士として企業法務に携わっていましたが、50代以降は税務、不動産（サブリース）、知的財産といった分野で訴訟を本格的に手掛けるようになりました。特に、青色LEDの特許権をめぐる中村修二と日亜化学工業との訴訟では、原告である中村修二の代理人を務め、第一審で200億円という巨額の損害賠償を勝ち取ったことで知られています。この訴訟は、日本の知的財産訴訟史に残る重要な判決の一つとなりました。

2001年には、全国で66位、弁護士としては第1位の高額納税者となり、約3億4000万円の納税額を納めました。また、2007年には消費者金融大手元会長の長男が、元会長夫妻から贈与された海外法人株をめぐる税務訴訟で、長男に対する約1330億円の追徴課税を取り消させるという、個人課税における税務訴訟で国側が敗訴したケースとしては史上最高額となる判決を勝ち取りました。これらの訴訟を通して、税務訴訟における専門家としての地位を確立しました。

2008年6月30日に東京永和法律事務所および東京永和特許事務所を解散し、翌7月1日にTMI総合法律事務所に合流しました。近年では、弁護士や文化人らの賛同を得て「一人一票実現国民会議」を立ち上げ、いわゆる「一票の格差」問題の啓蒙活動を精力的に行うとともに、自ら多くの違憲訴訟を提起しています。この活動を通して、法曹界だけでなく、社会全体に対する影響力を高めています。

経歴

東京府（現在の東京都）出身で、小学校4年生から中学校2年生まで愛媛県の公立学校で学びました。1961年に東京都立戸山高等学校を卒業後、1965年に東京大学法学部を卒業。住友銀行に入行しましたが、1967年に退行しました。

1969年に司法試験に合格（合格者501人中2位の成績）し、1973年には東京大学工学部を卒業という異色の経歴を持ちます。1979年に米国コロンビア大学コロンビア・ロー・スクールで修士号を取得、1980年には米国ワシントン市の司法試験に合格し、同特別区弁護士として登録されました。その後、ギブソン・ダン&クラッチャー法律事務所およびグラハム＆ジェームス法律事務所に勤務し、1984年にはニューヨーク州の司法試験にも合格し、弁護士登録を果たしました。1991年に東京永和法律事務所を開設し、2008年にTMI総合法律事務所にパートナーとして参画しました。

升永英俊は、その多彩な経歴と専門知識を活かし、日本とアメリカの両国で法律家として活躍しています。特に、知的財産訴訟や税務訴訟においては、数々の画期的な判決を導き、社会に大きな影響を与えています。また、一票の格差是正運動など、社会的な課題にも積極的に取り組み、その活動は多方面から注目を集めています。

脚注

東京都出身の人物一覧
東京大学の人物一覧

外部リンク

升永英俊　ホームページ
"「一人一票」を実現しよう！"　升永英俊のブログ
一人一票実現国民会議 公式サイト'>一人一票実現国民会議 公式サイト
東京永和法律事務所（インターネット・アーカイブの保存キャッシュ一覧）'>東京永和法律事務所（インターネット・アーカイブの保存キャッシュ一覧）
メンバー（インターネット・アーカイブ2007年10月31日付保存キャッシュ） ※升永のプロフィールも掲載。
亡き母の遺歌集序文
『Attorney's MAGAZINE（旧ロイヤーズマガジン）』（2007年11月号）

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