半島マレーシア

半島マレーシアについて

半島マレーシアは、マレーシアの一部であり、マレー半島におけるマレーシア領土と、その周辺の島々によって構成される地域を指します。その面積は約130,598平方キロメートルで、マレーシアの国土の大部分を占めています。北はタイと、南はシンガポールと国境を接しており、地理的に重要な位置にあります。

西側にはマラッカ海峡を挟んでインドネシアのスマトラ島、東側には南シナ海を挟んで東マレーシア（ボルネオ島北部）が存在します。この位置関係からも、半島マレーシアが東南アジアにおける交通と文化の要衝であることがわかります。

人口と行政区画

半島マレーシアには、マレーシアの総人口の約8割が集中しており、2015年の時点で約2500万人が居住していました。これは、マレーシアの経済と文化の中心が半島マレーシアにあることを示しています。

行政区画としては、11の州と2つの連邦直轄領によって構成されています。地域ごとに特徴があり、以下のように分類されます。

北部地域: プルリス州、ケダ州、ペナン州、ペラ州
東海岸地域: クランタン州、トレンガヌ州、パハン州
中部地域: セランゴール州、クアラルンプール、プトラジャヤ
南部地域: ヌグリ・スンビラン州、ムラカ州、ジョホール州

名称の由来

マレーシアという国名は、「ムラユ（Melayu）の国」を意味します。この「ムラユ」は、サンスクリット語で「山脈のある土地」を意味する「マラヤドヴィパ(Malayadvipa)」に由来するとされています。マラヤドヴィパという言葉は、スマトラ島の河川名として広まり、東インド諸島周辺を指す言葉として使われるようになりました。1963年に、マラヤ連邦、北ボルネオ、サラワク、シンガポールが合併してマレーシアが成立しましたが、この時、フィリピンもかつてマレーシアと呼ばれていた地域であったため、国名としてマレーシアを使用するかどうか議論がありました。

半島マレーシアは、かつては西マレーシアやマラヤとも呼ばれていました。現在では半島マレーシアの呼称が最も一般的ですが、西マレーシアという呼称は東マレーシアと別の国家であるかのように誤解される可能性があるため、使用頻度は減少しています。また、マラヤという呼称は、イギリス領時代の意味合いを含むため、公の場ではあまり使われなくなりました。ただし、マラヤという言葉は、マラヤ高等裁判所、マラヤ大学、マレー鉄道など、現在でも行政機関名や企業名などに残っています。なお、マラヤという言葉には、1965年に独立したシンガポールも含まれますが、「マラヤの州（States of Malaya）」という場合は、シンガポールは含まれません。

近年では、マラヤという言葉は、冗談めかして使われることがほとんどで、「Gempar satu Malaya!（全マラヤが震撼！）」といった表現が用いられます。

地勢と住民

半島マレーシアの住民は、マレー人が多数を占め、宗教はイスラム教が主流です。しかし、華人やインド系住民も多く、多様な民族構成となっています。また、先住民族であるオラン・アスリも存在します。

東海岸と西海岸

マレーシアにおいて、東海岸とは南シナ海に面したクランタン州、パハン州、トレンガヌ州を指し、東海岸地域と同一の地域を指します。一方、西海岸とは、半島マレーシアの残りのすべての州と連邦直轄領を指し、北部地域、中部地域、南部地域を合わせた3地域のことを指します。ジョホール州は南シナ海に面していますが、東海岸には含まれません。シンガポールを含める場合は、西海岸に分類されます。

東マレーシアと西マレーシア

東マレーシアと西マレーシアは、元々マラヤ連邦成立以前から隔たりのある地域であり、地理的な範囲を超えて異なる点が数多く存在します。東マレーシアは、裁判制度が異なり、また東マレーシアの州は、元々のマラヤ諸州よりも高度な自治権を持っています。例えば、東マレーシアへの移動には、パスポートの提示が必要になることがあります。これらの東マレーシアの特別な権利は、サラワク州の場合は18点合意、サバ州の場合は20点合意を締結したことによって保証されています。

まとめ

半島マレーシアは、マレーシアの歴史、文化、経済の中心であり、多様な民族と文化が共存する地域です。その地理的な位置と歴史的な背景から、東南アジアにおける重要な役割を担っています。

関連項目

東マレーシア

外部リンク

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