半田道玄

半田道玄：求道と悠々たる棋風を追求した囲碁棋士

半田道玄（1915年10月25日 - 1974年4月13日）は、昭和期に活躍した囲碁棋士。広島県出身で、鈴木為次郎名誉九段門下。日本棋院を経て関西棋院に所属し、九段まで昇りつめました。旧名は早巳。

生涯

広島県向島に生まれ、幼少期に囲碁を覚えます。9歳で鈴木為次郎に入門するも、すぐに帰郷。その後大阪に移り、久保松勝喜代の研究会で腕を磨きました。1934年に入段し、東京の大手合に参加。兄弟子の関山利一や梶原武雄らと切磋琢磨しました。

1946年には本因坊戦の最終トーナメントに進出。しかし、肺結核を患い療養生活を送ります。1950年に関西棋院が独立するとこれに参加し、早巳から道玄へと改名しました。

棋風は、若手時代こそ豪快な攻めを身上としていましたが、次第に大局観を重視するゆったりとしたものへと変化。ヨセの巧みさにも定評がありました。

1956年に、関西早碁名人戦でタイトルを獲得。1960年には王座戦で優勝。1961年には名人戦リーグに参加するなど、第一線で活躍しました。1962年には本因坊戦で坂田栄男への挑戦権を獲得するも、惜しくも敗退。1963年には十段戦で優勝を果たしました。

1974年、心不全のため58歳で逝去。生涯独身でしたが、遺されたノートは死後『天地の理にかなう』として出版され、囲碁界に大きな影響を与えました。

棋風

半田道玄の棋風は、若手の頃は豪快な攻め碁でしたが、晩年は大局観に基づいた悠々とした碁風へと変化しました。ヨセの技術にも優れ、そのゆったりとした打ち回しから「殿様碁」とも呼ばれました。求道的な姿勢で囲碁に取り組み、その精神性は多くの棋士に影響を与えました。

主なタイトル歴

関西棋院早碁名人戦 (1956年)
王座戦 (1960年、1965年)
十段戦 (1963年)

著作

『形勢判断と大局観 思い出の十段戦』
『半田道玄の覚え書きから 天地の理にかなう』
『半田道玄打碁集』

道玄賞

関西棋院では、その功績を称え、関西棋院賞の殊勲賞部門に「道玄賞」の名を冠しています。

半田道玄は、その独特な棋風と求道的な精神で、囲碁界に大きな足跡を残しました。彼の残した著作や棋譜は、今も多くの囲碁ファンに愛され、研究されています。

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