南あわじ市滝川記念美術館玉青館

南あわじ市滝川記念美術館 玉青館：現代南画の至宝と、自然が織りなす芸術空間

兵庫県南あわじ市松帆西路に位置する南あわじ市滝川記念美術館玉青館は、日本において初めて現代南画に特化した美術館として知られています。1991年に開館したこの美術館は、現代南画の巨匠、直原玉青氏の個人美術館であり、氏の代表作をはじめとする数々の貴重な作品を収蔵・展示しています。

台湾の故宮博物院を思わせる風格ある建物は、訪れる人々をたちまち魅了します。館内は、直原玉青氏の芸術世界を余すことなく体感できる空間となっています。

直原玉青氏と玉青館の誕生

淡路島で生まれ育った直原玉青氏は、現代南画の第一人者として広く知られています。黄檗宗の僧籍を持つ玉青氏は、1980年から島内唯一の黄檗宗寺院である国清禅寺の復興に尽力し、住職として寺院の襖絵など数十点もの作品を制作しました。

玉青館の建設は、玉青氏の国清禅寺所有の土地を公共のために活用したいという申し出がきっかけでした。この申し出を知った地元の開業医である滝川弘氏が、美術館建設の構想を町に提案し、建設費用全額を寄付。玉青氏の芸術を未来へ継承し、地域文化の活性化に貢献することを目的として、玉青館は誕生しました。

見どころ：禅と自然が融合した現代南画の世界

玉青館の主要な収蔵品は、直原玉青氏の作品です。その中でも特に有名なのは、全12作からなる「禅の牧牛 うしかひ草」でしょう。この作品は、禅の精神と自然の調和を見事に表現した代表作であり、多くの鑑賞者を魅了しています。

さらに、文部大臣賞を受賞した「相忘」や、内閣総理大臣賞を受賞した「迷」といった、数々の受賞歴を誇る作品も展示されています。他に、障壁画「慶野松原図」や、八角楼閣の天蓋部分に描かれた直径5メートルの壮大な「雲龍図」など、スケール感あふれる作品が来館者を迎えます。これらの作品を通じて、直原玉青氏の芸術世界を深く理解することができます。

企画展や特別展も随時開催されており、何度訪れても新鮮な感動を与えてくれる美術館です。

美術館情報

開館時間: 9:00～17:00 (入館は閉館30分前まで)
休館日: 月曜日、祝日の翌日、年末年始
入館料: 大人300円、大学生・高校生200円、中学生・小学生100円
アクセス: 神戸淡路鳴門自動車道西淡三原インターチェンジから南へ5分、らん・らんバス「玉青館前」下車

周辺観光

玉青館周辺には、慶野松原や五色浜など、自然豊かな観光スポットも多く存在します。美術館鑑賞と合わせて、淡路島の美しい自然を満喫することも可能です。

玉青館は、兵庫県博物館協会加盟館であり、博物館法に基づく兵庫県教育委員会登録博物館でもあります。ひょうごっ子ココロンカードやのびのびパスポートの対象施設となっており、幅広い年齢層の方々が利用しやすい環境が整っています。また、あわじ花へんろ第37番札所にも指定されています。指定管理者制度を採用せず、南あわじ市の直営として運営されている点も特徴です。

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