南の島 (トムとジェリー)

トムとジェリー：南の島での珍道中

1951年7月7日に公開された『トムとジェリー』シリーズの一つ、『南の島』（原題：His Mouse Friday）は、南海の孤島を舞台にした、陽気ながらもハラハラドキドキの物語です。日本の初放送時には「南の島には土人がいたよ」というサブタイトルでしたが、後に「南の島」に変更されました。

あらすじ

物語は、トムがたった独りで筏に乗り、食料も尽きかけたところで奇跡的に無人島に辿り着くシーンから始まります。渇いた喉を潤し、空腹を満たすべく食料を探し回るトムですが、そこにジェリーが現れます。トムはジェリーを捕まえようとしますが、いつものようにジェリーは巧みに逃げ回り、二匹は追いかけっこを始めます。

その追いかけっこの中で、二匹は島の原住民の集落に迷い込んでしまいます。ジェリーはトムを驚かせようと、原住民に扮し、トムを大鍋で煮込むふりをします。トムはジェリーが仕掛けた罠だと気づき、ジェリーを追いかけます。しかし、その騒ぎを聞きつけた本物の原住民たちが、トムを捕まえようと追いかけ始めます。

トムは「バーベキュー猫だ！」と叫びながら逃げ出します。一方、ジェリーもまた、原住民の子供に「バーベキュー鼠だ！」と追いかけられる羽目になります。こうして、トムとジェリーは、島の住民たちによって、文字通り「追いかけっこ」の末に物語は幕を閉じます。

キャラクター

トム: いつものようにジェリーを捕まえようとしますが、島では思いもよらぬ事態に巻き込まれます。
ジェリー: トムを出し抜き、原住民に扮してトムを驚かせようとしますが、最後は自分も原住民の子供に追いかけられる羽目になります。
原住民: 島の住人で、トムとジェリーを食材として狙います。
カメ: 島に生息するカメで、空腹のトムが食べようとした生き物です。

制作スタッフ

監督：ウィリアム・ハンナ、ジョセフ・バーベラ
製作：フレッド・クインビー
作画：ケネス・ミューズ、エド・バージ、レイ・パターソン、アーヴン・スペンス
音楽：スコット・ブラッドリー

放送とDVD

『南の島』は、日本ではTBS系列を中心に1964年から1990年頃まで放送されました。DVDにも収録されていますが、DVD版ではトリミング処理が施されており、一部シーン、特に原住民の子供が登場するシーンがカットされています。

関連作品

この作品は『トムとジェリー』シリーズの一つであり、監督であるウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラ、そして他の多くのアニメーター、作曲家たちの作品群に属しています。テックス・アヴェリー、ルドルフ・アイジング、ドルーピーといった名前も、アメリカのアニメーション史において重要な位置を占めています。メトロ・ゴールドウィン・メイヤー（MGM）は、この作品を含む多くのトムとジェリー作品を制作したスタジオです。

まとめ

『南の島』は、トムとジェリーのコミカルな追いかけっこを南国を舞台に描いた作品です。短いながらもテンポの良い展開と、独特なユーモアで、今もなお多くの人々に愛され続けています。日本のテレビ放送の歴史や、DVD収録時の変更点を知る上でも貴重な作品と言えるでしょう。

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