南利明 (俳優)

南 利明の生涯と業績

南利明（みなみ としあき、1924年3月14日生 - 1995年1月13日没）は、日本の著名な喜劇俳優であり、そのユニークなキャラクターと多彩な活動で知られています。本名は野津俊三（のづ しゅんぞう）で、神奈川県横須賀市に生まれました。父は横須賀海軍工廠に勤めていた士族の野津勝造でしたが、彼は愛知県名古屋市で育ちました。旧制南山中学を卒業後、彼の俳優としての道が開かれました。

初期の活動

南は著名な喜劇俳優である榎本健一の元で学びましたが、晩年には破門を解かれるという波乱の経歴もありました。1956年には由利徹、八波むと志の二人と共に脱線トリオを結成し、リーダーとして浅草を拠点にドタバタ喜劇の女形を演じ人気を博しました。ただし、所属事務所の違いからトリオは早々に解散し、彼はピンでの活動に専念しました。

人気キャラクターと名セリフ

南の代表作の一つに、テレビドラマ『てなもんや三度笠』があります。ここで彼は名古屋弁を駆使し、軽妙な鼠小僧役で登場し大きな人気を得ました。また、1969年にはオリエンタルカレーのCMで「ハヤシもあるでョ〜」というフレーズが名物となるなど、彼のユーモアセンスと方言が廣く受け入れられました。後にこのフレーズをパロディ化した赤城乳業の「カレーアイス」のCMにも出演し、広範囲にわたって影響を及ぼしました。

多様な活動と影響

その後も南は鈴木則文監督の作品など、さまざまなジャンルの映画やドラマに出演しました。喜劇だけでなく、シリアスな役柄や子ども向けの作品、果てはロマンポルノにまで挑戦し、俳優としての幅を着実に広げていきました。彼が演じるキャラクターは、軽快で人の話を適当に流す一方で、ダンディさを兼ね備えており、この点では高田純次の先駆けとも言える存在でした。

最期の時

南利明は1995年1月13日に肺癌で亡くなりました。享年70歳でした。彼の死は多くのファンや仲間に悲しみをもたらしましたが、彼の残した数々のコメディ作品やキャラクターたちは、今なお多くの人々に愛され続けています。

彼はまた、音楽活動にも積極的で、1971年には「華麗なる人生（ウハウハソング）」や、ドラゴンズ応援歌など、数多くのシングルをリリースしました。

結論

南利明は日本の喜劇界において、独自の地位を築いた俳優でした。彼の多彩な才能とユニークなキャラクターが、数多くの作品を通じて多くの人々に笑いを提供しました。その功績は今でも記憶され、後輩たちに大きな影響を与えています。

もう一度検索