南勢

南勢とは

南勢（なんせい）は、かつての伊勢国南部に位置する地域を指す名称で、現在の三重県を区分する際の地域区分の一つです。具体的には、三重県を「北勢」「伊賀」「中勢」「南勢」「東紀州」の5つに分けたうちの一つで、旧志摩国全域を含むため、「伊勢志摩」という呼称が用いられることもあります。

地理的には、紀伊国の一部（大紀町錦）も含まれており、三国にまたがる地域です。

生活創造圏としての南勢

三重県では、県庁によって9つの生活創造圏が設定されており、南勢地域は「伊勢志摩創造圏」に相当します。この圏域は、伊勢県民センターが管轄しており、以下の7つの市町で構成されています。

伊勢市
鳥羽市
志摩市
玉城町
度会町
大紀町
南伊勢町

2024年11月1日現在の推計人口は213,443人、面積は1,145.74km²、人口密度は186人/km²となっています。なお、別の定義では、松阪市と多気郡を加える場合があり、その場合は人口409,793人、面積2,276.3km²、人口密度180人/km²となります。

都市圏としての南勢

都市雇用圏の観点から見ると、南勢地域は10%通勤圏において、自治体間の結びつきが強く、一体的な経済圏を形成しています。2004年以降、市町村合併により、志摩市、大紀町、南伊勢町が誕生し、伊勢市も合併により拡大しました。

定住自立圏としての南勢

南勢地域は、定住自立圏としても連携しており、伊勢市、鳥羽市、志摩市、玉城町、度会町、大紀町、南伊勢町は明和町とともに「伊勢志摩定住自立圏」を形成しています。これにより、医療、福祉、教育など、住民生活に必要な機能の連携を強化し、圏域全体の活性化を図っています。

その他の区分

中学校や地域のスポーツ大会、各種団体などでは、南勢地区をさらに細かく区分して呼ぶこともあります。

伊勢度会（いせわたらい）: 伊勢市、度会郡玉城町・度会町・南伊勢町・大紀町を指します。話し言葉では「伊勢度（いせわた）」とも呼ばれます。
鳥羽志摩（とばしま）: 鳥羽市、志摩市を指します。
鳥羽志勢（とばしせい）: 主に行政当局が用いる区分で、鳥羽市、志摩市、度会郡南伊勢町を指します。

南勢に関連する地域と文化

南勢地域は、歴史的にも伊勢国、志摩国という国に属しており、その文化や歴史が深く根付いています。伊勢志摩という呼称が示すように、伊勢神宮や志摩半島の豊かな自然が有名で、観光地としても人気があります。また、地域特有の食文化として「さわ餅」などがあります。

この地域は、古代から現代に至るまで、人々の生活と文化が育まれてきた、多様な魅力を持つ地域と言えるでしょう。

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