東紀州

東紀州とは

東紀州（ひがしきしゅう）は、三重県を北勢、伊賀、中勢、南勢（伊勢志摩）、東紀州の5つに区分したうちの一つで、紀伊国の東部に位置する地域を指します。この地域は、古くは「南紀」や「熊野」と呼ばれた牟婁郡の東半分にあたり、現在の北[[牟婁郡]]と南牟婁郡に相当します。ただし、旧北[[牟婁郡]]の錦町は町村合併により南勢に含まれ、現在は度会郡大紀町錦となっています。

地理的特徴

東紀州は、熊野灘に面した多雨地域として知られています。NHK津放送局の気象情報では、中勢に含まれる多気郡大台町や南勢に含まれる度会郡大紀町と合わせて「紀勢・東紀州」として扱われています。

地域課題と活性化の動き

東紀州地域は、県南部に位置し、典型的な過疎地域です。県北部と比較して経済格差や生活基盤整備の遅れが顕著であり、三重県における南北問題として認識されています。しかし、近年では民間と行政が協力した地域づくりが注目され、地域自立に向けた人材育成も積極的に行われています。例えば、「東紀州活性化大学」では、地域を担う人材の育成が行われています。

生活創造圏

三重県では、県庁によって9つの生活創造圏が設定されています。東紀州の範囲は、以下の2つの生活創造圏に相当します。

尾鷲生活創造圏: 尾鷲市、北[[牟婁郡]]（紀北町）
熊野生活創造圏: 熊野市、南牟婁郡（御浜町、紀宝町）

これらの生活創造圏は、地域における生活、経済、文化などの連携を促進するための枠組みです。

県民センターの管轄

東紀州は、以下の2つの県民センターによって管轄されています。

紀北県民センター: 尾鷲市および北[[牟婁郡]]（尾鷲生活創造圏）。2024年11月1日時点の推計人口は27,673人、面積は449.26km²、人口密度は61.6人/km²です。
紀南県民センター: 熊野市および南牟婁郡（熊野生活創造圏）。2024年11月1日時点の推計人口は31,758人、面積は541.1km²、人口密度は58.7人/km²です。

都市圏と合併の歴史

東紀州の都市圏は、10%通勤圏で定義されます。2005年以降、以下の合併が行われました。

2005年10月1日：熊野市と紀和町が合併し、熊野市となりました。
2005年10月11日：紀伊長島町と海山町が合併し、紀北町となりました。
2006年1月10日：紀宝町と鵜殿村が合併し、紀宝町となりました。

これらの合併は、地域の一体化を促進し、行政サービスの効率化を図ることを目的として行われました。

関連情報

東紀州についてさらに知りたい場合は、以下の情報も参考にしてください。

紀伊国: 東紀州の歴史的背景を知る上で重要な地域です。
南紀: 東紀州を含む紀伊半島南部の地域です。
牟婁郡: 東紀州が属していた古い郡です。
紀北・紀南: 東紀州をさらに細分化した地域区分です。
熊野国造: 古代の熊野地域を治めていた豪族です。
熊野三山: 熊野地域にある三つの神社（熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社）の総称です。
伊勢路 ([[熊野古道)]]: 熊野三山へと続く巡礼道です。

外部リンク

一般社団法人東紀州地域振興公社
東紀州ほっとネットくまどこ

参考文献

* 寺口瑞生（2003）『過疎からのブレークスルー－観光と環境を取り入れた地域づくり－』「観光と環境の社会学」（古川彰・松田素二 編、シリーズ環境社会学4、新曜社、2003年8月25日、298pp. ISBN 4-7885-0867-2）:246-258.

東紀州は、豊かな自然と歴史を持つ地域でありながら、過疎化や経済格差といった課題にも直面しています。しかし、地域住民の努力と外部からの支援によって、持続可能な発展を目指した取り組みが進められています。

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