南呉服町 (名古屋市)

南呉服町（みなみごふくちょう）

南呉服町は、愛知県名古屋市中区に位置していた地名です。この地名は、明治時代初期に呉服町筋の南側に成立し、その後、名古屋市の区制変更とともに所属する区を何度か変更しました。最終的には、住居表示の実施によって栄三丁目に編入され、その歴史を閉じました。

歴史

南呉服町の歴史は、明治4年（1871年）に愛知郡南呉服町として誕生したことに始まります。これは、当時の呉服町筋の南側にあたる地域を指していました。その後、1878年（明治11年）に名古屋区が成立すると、南呉服町は同区の一部となり、1889年（明治22年）には名古屋市の成立に伴い、名古屋市南呉服町となりました。

20世紀に入り、1908年（明治41年）に中区が成立すると、南呉服町は中区に属することになります。この間、1913年（大正2年）には、前日の火災で社屋を全焼した名古屋新聞社が、この地に仮営業所を設置し、新聞発行を再開するという出来事がありました。これは、南呉服町が名古屋のメディア史においても重要な場所であったことを示唆しています。

1932年（昭和7年）には、南呉服町の一部が南伊勢町に編入されました。第二次世界大戦中の1944年（昭和19年）には栄区が成立し、南呉服町も一時的に栄区に属しましたが、翌1945年（昭和20年）に栄区が廃止されたため、再び中区に戻りました。

そして、1966年（昭和41年）3月30日、住居表示が実施されたことにより、南呉服町はその全域が栄三丁目に編入され、地名としての南呉服町は消滅しました。

南呉服町の変遷

脚注

この地域の歴史を語る上で重要な出来事の一つに、名古屋新聞社の仮営業所設置があります。火災からの復興という困難な状況の中、南呉服町で新聞発行が再開されたことは、当時の人々の生活と情報伝達において重要な役割を果たしたことを示しています。

参考文献

名古屋市会事務局 編『名古屋市会史 別巻第2 総合名古屋市年表（大正編）』名古屋市会事務局、1963年3月10日。
「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 23 愛知県』角川書店、1989年3月8日。ISBN 4-04-001230-5。
名古屋市計画局『なごやの町名』名古屋市計画局、1992年3月31日。

関連項目

名古屋市の地名
* 小堀四郎

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