南国の肌

『南国の肌』は、1952年に公開された木曜プロ制作、東宝配給の映画です。福田清人の小説『花のある処女地』を原作とし、鹿児島県を舞台に農地改革を題材としています。

ストーリー

映画は、善と悪の対立を軸に、ラブロマンスの要素を織り交ぜながら展開されます。東京から来た地質研究員と地元の人々との交流、そして農地改革を巡る葛藤が描かれます。台風や山崩れといった自然の脅威も物語に影響を与え、登場人物たちの運命を翻弄します。

特撮

特筆すべき点として、本作では円谷英二が特撮を担当しています。後の『ゴジラ』などで知られる本多猪四郎と円谷英二は、本作で初めて監督と特殊技術という立場でタッグを組みました。台風や山崩れのシーンは、円谷英二による特撮技術が駆使され、映画に迫力とリアリティを与えています。

キャスト

伊豆肇、春日俊二、藤田泰子、志村喬といった俳優が出演しています。それぞれのキャラクターが物語の中で重要な役割を果たし、映画に深みを与えています。

大野覚三（東京労研地質研究員）：伊豆肇
高山尚一郎（東京労研地質研究員）：春日俊二
三浦貞枝（東京労研医師）：藤田泰子
研究所所長：志村喬
那須ケイ子：利根はる恵
野中敬三（ブローカー）：小杉義男

スタッフ

製作：大橋公威
原作：福田清人
音楽：芥川也寸志
撮影：川村清衛
美術：渡辺明
録音：西川善男
照明：近藤兼太郎
助監督：筧正典
脚本・監督：本多猪四郎

評価と影響

本多猪四郎監督は、後年のインタビューで本作を自身が手がけた作品の中で印象深いものの一つとして挙げています。農地改革という社会的なテーマを扱いながら、エンターテイメント性も兼ね備えた作品として評価されています。後の特撮映画に繋がる要素も含まれており、映画史においても重要な作品と言えるでしょう。

参考文献

『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA ゴジラ大百科 [メカゴジラ編]』監修 田中友幸、責任編集 川北紘一、Gakken〈Gakken MOOK〉、1993年12月10日。
竹内博 編『本多猪四郎全仕事』朝日ソノラマ〈ファンタスティックコレクション〉、2000年5月1日。ISBN 4-257-03592-7。
『円谷英二特撮世界』勁文社、2001年8月10日。ISBN 4-7669-3848-8。

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