南寧市

南寧市：緑豊かな広西チワン族自治区の首府

南寧市は、中国南西部に位置する広西チワン族自治区の首府であり、歴史と文化が深く根付いた都市です。古くは「邕」と呼ばれていましたが、近年では緑化政策が進み「緑城」とも称されています。この地域はチワン族が多く、市全体の人口の過半数を占めています。

歴史

南寧の歴史は、紀元前214年の秦による嶺南征服に遡ります。当時は桂林郡に属し、南越王国を経て、前111年には漢の鬱林郡となりました。318年には晋興郡が置かれ、これが南寧の始まりです。唐代には邕州が設置され、これが南寧の簡称の由来となります。元代に南寧路と改称され、明代には南寧府が置かれました。辛亥革命後には広西軍政府が一時的に省都を置きましたが、その後桂林に戻されました。日中戦争中には日本軍に二度占領されました。1949年に人民解放軍が入城し、南寧市人民政府が成立。1958年に広西チワン族自治区が成立すると、自治区の首府となりました。

地理と気候

南寧市は、自治区中南部の南寧盆地に位置し、邕江が市内を流れています。邕江は珠江の支流であり、河川航路を通じて海へと繋がっています。ベトナム国境から約160kmの距離にあり、中国と東南アジアの貿易において重要な役割を果たしています。海洋に近いため、高温多湿な気候が特徴です。

行政区画

南寧市は、7つの市轄区、1つの県級市、4つの県を管轄しています。

市轄区: 青秀区、興寧区、江南区、西郷塘区、良慶区、邕寧区、武鳴区
県級市: 横州市
県: 隆安県、馬山県、上林県、賓陽県

年表

南寧市は、その歴史の中で幾度かの行政区画の変遷を経験しています。1949年に南寧専区が成立し、1950年には南寧市人民政府が正式に発足。その後、武鳴専区や賓陽専区との統合・分離、桂西チワン族自治区への編入などを経て、現在の形に至っています。1992年には対外開放都市となり、国際的な交流も盛んになりました。

経済

南寧市は、中国とASEAN諸国との経済交流の中心地として発展しており、2004年からは中国ASEAN博覧会（CAEXPO）が開催されています。市内には多くの開発区が設けられ、国内外の企業が進出しています。

国家級開発区: 南寧高新技術産業開発区、南寧経済技術開発区、沿海経済走廊開発区、中国アセアン経済園区など
省級開発区: 南寧六景工業園区、南寧沿海経済走廊開発区、南寧市仙葫経済開発区

交通

南寧市は、道路、鉄道、航空など、多様な交通手段が発達しています。

高速道路: 南友高速道路、桂海高速道路、南百高速道路、都南高速道路、南梧高速道路、南寧外郭循環高速道路
国道: G210国道、G322国道、G324国道、G325国道
鉄道: 南寧駅、南寧東駅、南寧南駅、南寧西駅、南寧北駅。南広線、南昆線、南防線などの路線が乗り入れています。
地下鉄: 1号線から5号線までが運行
航空: 南寧呉圩国際空港

教育

市内には、多くの大学や教育機関があります。

公立大学: 広西大学、広西民族大学、広西医科大学、広西財経学院、広西芸術学院、広西警察学院、桂林理工大学、南寧学院、南寧師範大学
私立大学: 広西外国語学院

観光

南寧市には、多くの観光スポットがあります。

自然: 伊嶺岩、青秀山風景区、九曲湾温泉
文化: 広西チワン族自治区博物館、民族文物苑、広西薬用植物園
その他: 揚美古鎮、南湖公園

健康・医療・衛生

南寧市には、多くの総合病院や専門病院があり、市民の健康を支えています。

病院: 南寧市第一人民医院、南寧市第二人民医院、南寧市中医医院など

対外関係

南寧市は、世界各地の都市と友好都市関係を結び、国際交流を積極的に行っています。

* 友好都市: ガンビアのバンジュール、オーストラリアのバンダバーグ、アメリカ合衆国のプロボなど多数

南寧市は、歴史的な背景を持ちながらも、現代的な発展を遂げている魅力的な都市です。文化と自然が調和したこの都市は、訪れる人々に多様な体験を提供してくれるでしょう。

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