南将之

南 将之（みなみ まさゆき）

南将之は、1941年7月8日に福岡県福岡市で生まれた、日本を代表するバレーボール選手であり、指導者としても名を馳せた人物です。彼は1960年代から70年代にかけてバレーボール界で輝かしい実績を残し、特にオリンピックでの活躍が評価されています。

来歴

南は福岡市立当仁小学校を卒業後、福岡大大濠高校でスポーツに打ち込みました。1960年に旭化成に入社し、196センチメートルという恵まれた体格を活かしたスパイカーとして瞬く間に注目を浴びるようになります。1970年代の日本男子バレーボールチームは彼の存在によって強力なものとなり、南は1961年に全日本代表に初選出されます。

オリンピックでの栄光

南将之の選手人生の中で特に記憶に残るのが、オリンピックでの3つのメダル獲得です。彼は1964年の東京オリンピックで銅メダル、1968年のメキシコオリンピックで銀メダルを獲得し、1972年のミュンヘンオリンピックではついに金メダルを手にしました。

ミュンヘン五輪の準決勝では、絶体絶命の状況に追い込まれながらも第3セットから出場して逆転勝利を収め、これが「ミュンヘンの奇跡」として語り継がれています。この戦いは南のバレーボール人生において大きなハイライトとなる出来事であり、彼の勇気と技術が結実した瞬間でした。

指導者としてのキャリア

現役引退後、南はコーチとしての道を歩み始めました。全日本男子バレーボールチームのコーチや男子ジュニアチームの監督を務め、その後1989年に全日本男子代表監督に就任しました。彼の指導方針や戦術は多くの選手たちに影響を与え、指導者としても名を馳せました。南はまた旭化成バレー部の監督や部長も歴任し、彼の教育スタイルは次世代の選手たちにも引き継がれています。

家族と健康

南将之は、長男の南克幸も全日本代表選手として活動し、親子で活動する姿から「父子鷹」と称されました。一方で、長年糖尿病を患い、1999年には大動脈瘤の手術を受けるなど、健康面では苦労もありました。2000年4月7日、58歳で心筋梗塞により福岡市内の病院で亡くなりました。

球歴・受賞歴

南将之は、オリンピックの他にも1970年代には世界選手権やワールドカップといった数々の国際大会にも出場し、全日本代表としての名声を築いていきました。特にオリンピックでは1964年、1968年、1972年に参加し、その戦績は国内外で高く評価されています。彼の業績は、単なるスポーツ選手に留まらない、日本のスポーツ界における重要な遺産となっています。

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