南山1号トンネル

南山1号トンネルの概要

南山1号トンネルは、大韓民国ソウル特別市に位置し、龍山区と中区芸場洞を繋ぐ重要な道路トンネルです。構成は2車線のトンネルが2本あり、ソウル特別市の施設公団によって管理されています。北端は三一路に接続しており、乙支路2街、鍾路2街、明洞の地域につながります。南端は漢南路で、漢南大橋を経由して江南大路や京釜高速道路へのアクセスが可能です。このトンネルはソウルの中心と江南地域を直接結ぶ路線であり、交通量は非常に多く、アジアハイウェイ1号線の一部を形成しています。

歴史的背景

南山1号トンネルの建設は、1968年の青瓦台襲撃未遂事件を受けて始まりました。この事件は、武装ゲリラがソウル市内に侵入したことから市民の安全確保が急務となり、当時のソウル市長金玄玉は「ソウル要塞化計画」を策定しました。この計画では、南山1号および2号トンネルの建設が含まれています。トンネルの交差箇所には、およそ5000～7000坪の交通広場を設置し、平時には立体交差、非常時には30万人を収容できる施設として活用する計画が立てられました。また、このプロジェクトは韓国信託銀行からの10億ウォンの支援を受け、1970年8月15日に開通しました。

しかし、当初の予想を下回る利用状況のため、トンネルは赤字経営が続いた結果、1974年にソウル市に譲渡され、その後1975年に安全性の問題が発覚し閉鎖、補修工事が行われました。当初計画されていた交通広場の設置も白紙化されました。

1980年代に入り、ソウル市内の車両台数が急増したことから、トンネルの交通量も増加しました。このためソウル市は、トンネルの拡張を行わずに新たなトンネルを隣接して掘る方法で対応することを決定し、1989年に着工、1994年に完成しました。

料金と混雑通行料

いったん通行料は1976年に100ウォンに引き上げられた後、1995年には廃止されたものの、混雑緩和の施策の一環として1996年に再導入されました。現在、平日に限り「混雑通行料」に基づく料金が徴収されています。乗用車には2,000ウォンが課され、支払いは現金やTマネー、クレジットカードで可能です。料金の徴収は、土日祝日を除く平日の7:00から21:00まで行われます。

割引制度

料金に関しては、1000cc未満の軽自動車や特定の条件を満たす車両には50%の割引が適用されます。さらに、11人以上乗車する車両や3人以上の乗客を乗せた車両、バス、タクシー、一部の低公害車などは、100%の通行料減免措置が適用されます。

事故と運行状況

2011年7月14日、南山1号トンネルではタクシーの爆発事故が発生し、その影響で交通が麻痺したほか、多くの人々が避難する騒ぎとなりました。このような事故を受け、トンネルの安全対策や管理体制の強化が求められるようになりました。

結論

南山1号トンネルは、ソウルの交通ネットワークに欠かせない存在であり、歴史的な背景や学ぶべき課題が多くあります。交通量が多い一方で、安全性の確保や効率的な運営方法について引き続き注目が必要です。

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