青瓦台襲撃未遂事件

青瓦台襲撃未遂事件

青瓦台襲撃未遂事件（1.21事態とも呼ばれる）は、1968年1月21日に朝鮮民主主義人民共和国の特殊部隊が実行した、大韓民国大統領府である青瓦台に対する攻撃未遂の事件です。この事件は、特に逮捕された隊員の名前から「金新朝事件」とも名付けられることがあります。

背景

1966年、韓国漁船が北朝鮮の魚雷艇に襲われ、以降の南北の緊張は一層高まりました。事態は同年1[[1月]]や1967年4月に北緯38度線での大規模な武力衝突を招き、特に北朝鮮による挑発行為が多く見られました。この状況を受け、北朝鮮は対南工作を専門に扱う第283部隊を結成。1971年に創設された特殊軍団に改編し、ゲリラ部隊を韓国に侵入させる準備を進めました。

ゲリラ侵攻

事件の数日前の1968年1月17日、朴正煕大統領と閣僚を狙う襲撃のために、31名の特殊部隊員が韓国に侵入しました。彼らは韓国軍の制服を模した服装で休戦ラインを突破し、韓国市民に対して脅迫を行なった後、海外に潜伏しました。しかし、1月21日になると、彼らは青瓦台の800メートル手前まで接近しますが、警察の検問に遭遇し、その場で自動小銃を乱射して逃走。襲撃は阻止されました。

その後、韓国軍と警察部隊による2週間の掃討作戦が行われ、最終的に1名が逮捕され、29名が射殺され、1名が自爆しました。事件は長期間にわたって続く銃撃戦を引き起こし、その結果、韓国側では68名の死者が出るという重大な犠牲を伴いました。

逮捕されたのは当時27歳の金新朝少尉であり、彼の供述によって北朝鮮の特殊部隊の存在が明らかになりました。金は、朴大統領暗殺を目論んでいたことを繰り返し強調し、獄中でのインタビューでは「私は朴正煕の首を取りにやってきた」と述べ、国民に衝撃を与えました。

政権の対応

事件発生後、朴正煕大統領は怒りを隠せず、アメリカに対しては北朝鮮への攻撃を提案しましたが、続いて発生したプエブロ号[[事件]]により、アメリカとの軍事的な関係が複雑化しました。朴大統領は北朝鮮への報復を求め続ける中、情報部の金炯旭部長が金日成暗殺部隊の創設を決めました。

これにより1968年4月に創設された「684部隊」は、青瓦台襲撃の際に行動した特殊部隊員数と同じ31名から成り立ちましたが、その後、南北関係の緊張が緩和される中で計画は頓挫しました。683部隊は不満の高まりとともに、1971年に反乱を起こし、最終的には叛乱者たちが自爆しました。

影響とその後

青瓦台襲撃未遂事件は、韓国における北朝鮮の工作活動や南北関係の緊張を象徴する事件となりました。また、この事件をきっかけに住民登録制度が設けられ、スパイの識別が行われるようになりました。近年、この事件に関する視点が再評価され、映画『シルミド』を通じて広がりを見せています。今後も、韓国と北朝鮮の関係における歴史的事件の一つとして取り上げられることでしょう。

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