南川 (郡山市)

南川（みなみがわ）について

福島県郡山市を流れる南川は、阿武隈川水系に属する一級河川です。その流れは逢瀬町多田野から始まり、大槻町を経て安積町日出山で阿武隈川に合流します。南川の大部分は灌漑用の用水路として、安積疏水の第五分水路として設計されました。

地理的特徴

南川は、沿岸の地域に合わせた地形を有しており、周囲は急速に宅地化が進みました。そのため、戦後の間には水質が悪化し、「ドブ川」と揶揄される状況に陥りました。しかし、幸運なことに南川周辺は渓谷状の地形を保ち、自然環境が比較的よく残されています。

南川渓谷の再生

その自然を守るため、地域住民や関係者が中心となって浄化作業が行われてきました。2000年までには、国道4号バイパスから五百淵公園付近にかけて、約1.6kmに及ぶ散策路が整備され、その結果「南川渓谷」と名付けられました。この整備には、吊橋やあずまや、展望台などの便利な施設も完備されており、訪れる人々が楽しめる自然空間が広がっています。

南川渓谷は、2001年に手づくり郷土賞（地域整備部門）を受賞し、福島の遊歩道50選に選ばれました。続く2004年には、せせらぎこみちと共に「美しい日本の歩きたくなる道500選」にも選出されています。これらの評価は、南川渓谷が地域の自然環境と住民の努力によって再生された結果であることを示しています。

施設とアクセス

南川渓谷では、以下のような施設が提供されています。

• - 多目的広場
• - 駐車場（あさかのバイパス付近と久留米四丁目付近に数台分）
• - 吊橋
• - あずまや
• - 展望台
• - トイレ

訪問者は、郡山駅から福島交通のバスを利用し、栄町経由の柴宮団地行きで「桜小学校」に下車するか、池ノ台経由の鎗ヶ池団地行きで「北井入口」に下車することでアクセスできます。アクセスの利便性も、南川の魅力を引き立てています。

橋の名前と万葉集

南川にはいくつかの橋がありますが、これらは旧暦の月名にちなんで名付けられています。例えば、睦月橋や如月橋などです。さらに、各橋の欄干にはその月に関連する万葉集の歌が刻まれており、訪れる人にとって文化的な側面も楽しむことができる要素となっています。

南川は、自然美と歴史的文脈を併せ持つ場所であり、地域社会と環境に対する意識の高まりが結実した結果も見ることができます。この美しい川のほとりで、心地よい散策を楽しむことができるでしょう。

もう一度検索