南川高志

南川 高志（みなみかわ たかし）について

南川 高志氏は、1955年5月13日生まれの日本の歴史学者です。彼は西洋史を専門としており、特に古代ローマの研究に注力しています。彼の学位は博士（文学）であり、その学位論文は「ローマ皇帝とその時代-元首政期ローマ帝国政治史の研究」というタイトルで、1997年に取得しました。この研究は、ローマ帝国の政治史を掘り下げる重要な功績となっています。

学歴とキャリア

南川氏は三重県に生まれ、1979年に京都大学文学部の西洋史を卒業しました。1984年には同大学院の博士後期課程に進学しましたが、研究指導認定を受けた後に退学し、その年に京都大学文学部の助手に就任しました。1997年に博士号を取得し、その後、大阪外国語大学の助教授を経て、1995年には京都大学文学部の教授に昇進しました。さらに、1996年には同大学の文学研究科教授に就任しました。2021年3月に定年退職を迎えた後、4月からは佛教大学歴史学部で特任教授として教鞭を執っています。

研究成果と著書

南川氏の研究は、彼の多くの著書を通じて広く知られています。主な著書には以下のものがあります。

• - 『ローマ皇帝とその時代 元首政期ローマ帝国政治史の研究』（創文社、1995年）
• - 『ローマ五賢帝「輝ける世紀」の虚像と実像』（講談社現代新書、1998年）
• - 『海のかなたのローマ帝国 古代ローマとブリテン島』（岩波書店、2003年、増補版2015年）
• - 『新・ローマ帝国衰亡史』（岩波新書、2013年）
• - 『ユリアヌス 逸脱のローマ皇帝』（山川出版社、2015年）
• - 『マルクス・アウレリウス 『自省録』のローマ帝国』（岩波新書、2022年）

また、共編著も多数手掛け、例えば『大学で学ぶ西洋史 古代・中世』（ミネルヴァ書房、2006年）や『知と学びのヨーロッパ史 人文学・人文主義の歴史的展開』（ミネルヴァ書房、2007年）などがあります。さらに、歴史の転換点を扱った一連のシリーズにも貢献し、古代ギリシャとローマの情緒や感情についての研究も行っています。

翻訳作品

南川氏は翻訳者としても活躍しており、アエリウス・スパルティアヌスなどの作品を翻訳した『ローマ皇帝群像 1・2』（京都大学学術出版会、2004年）や、ピーター・サルウェイの『古代のイギリス』（岩波書店、2005年）など、古代に関する重要な文献の翻訳を手掛けています。

影響と現在

南川高志氏の研究は、日本国内外での古代ローマに関する学術的議論に大きく寄与しています。彼の業績は、多くの大学での教育や研究に影響を与え、研究者や学生にとっての重要な資源となるでしょう。古代ローマの歴史を理解するための強力な指導者として、その影響は今後も続くと期待されます。

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