南座

南座（みなみざ）

南座は、京都府京都市東山区に位置する劇場で、松竹が経営を行っています。この劇場は、近代建築に桃山風のデザインを取り入れた、地上4階・地下1階の構造が特徴です。また、同施設は国の登録有形文化財としても認識されています。

歴史

南座の起源は江戸時代初期の慶長年間（1596年 - 1615年）に遡り、元和年間には公認を得て劇場としての活動を開始しました。現存する場所で興行を続けている点からも、日本最古の劇場であることが伺えます。名称は四条通の南側に位置することに由来しています。

江戸時代初期、四条河原には幕府公認の芝居小屋が七座存在しましたが、火災や興行の中心が大坂に移行したことで数は減少しました。最終的には南座と北座の二座が残り、1892年に北座が閉鎖されたことにより、南座のみが存続しました。1906年に松竹に買収され、以降は松竹によって直営されています。

1913年には大規模な改築が行われ、1436人収容の木造劇場が完成。その後、1929年には桃山風の意匠を取入れた新たな鉄骨鉄筋コンクリート造の劇場が竣工し、定員1527人となりました。1988年には国の登録有形文化財として認定されましたが、2015年からは耐震診断が行われ、基準を満たしていないことが判明。2016年1月から休館し、耐震補強工事を行うことが決定されました。

工事には大林組が関わり、最新技術を用いた詳細な調査が行われ、約200か所に耐震壁を設置するなどの大規模な改修工事が実施されました。2018年には耐震補強工事が完了し、10月27日に新開場記念イベントが開催されました。

特徴

南座は、歌舞伎の発祥の地とされる出雲阿国が1603年にかぶき踊りを披露した場所として知られています。歌舞伎を中心とした公演が行われており、特に毎年行われる吉例顔見世興行は地域の伝統行事として認識されています。この公演では、役者の名前が書かれた「まねき」と呼ばれる木の看板が劇場の入り口に並ぶ光景も特徴的です。

南座では歌舞伎以外にも演劇やコンサートが開催され、新たなプロダクションにも取り組んでいます。例えば、1992年にはミュージカル「ドラゴン・クエスト」が上演され、2019年には「都をどり」が開催されるなど、多様な文化イベントが展開されています。

所在地と交通アクセス

南座は、京都市東山区四条通大和大路西入中之町198に位置しています。最寄り駅として京阪祇園四条駅があり、阪急京都河原町駅からも徒歩3分とアクセスが便利です。周辺の観光地へのアクセスも良好で、観劇に訪れる多くの観客が集まります。

定紋

南座の定紋には松竹マークが使用されており、劇場の特性を表しています。長い歴史を持つ南座で、現在でも日本の伝統芸能を拡充し続けています。

出典として公式サイトがあり、南座の歴史を深く知りたい方には役立つ情報が多く掲載されています。

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