南後由和

南後由和（なんご よしかず）は、1979年大阪府生まれの日本の社会学者です。現在は法政大学デザイン工学部建築学科の教授として教鞭を執っています。

学歴と研究テーマ

2002年に神戸大学文学部哲学科社会学専修を卒業。大学では、社会学を専攻し、特にマスメディアや都市問題に関心を抱いていました。卒業論文では、アンリ・ルフェーヴルの都市空間論が都市社会学、地理学、メディア論に与えた影響について考察しました。ルフェーヴルの思想を研究する中で、都市論だけでなく建築論にも興味を持つようになります。

その後、東京大学大学院に進学し、2004年に学際情報学府修士課程を修了。2008年には同大学院の博士課程を単位取得退学しています。東京大学大学院では、情報学環助教および特任講師を務めました。

職歴

2012年より明治大学情報コミュニケーション学部の専任講師として教壇に立ち、2017年には准教授に昇任しました。2024年10月からは、法政大学デザイン工学部建築学科教授として、後進の育成と研究活動に励んでいます。

研究内容

南後氏の研究は、社会学を基盤としつつ、都市論、建築論、メディア論といった幅広い領域にまたがっています。特に、都市空間が人々の生活や社会構造に与える影響について深く考察しており、現代社会における都市のあり方や建築の役割について、多角的な視点から研究しています。

著作活動

南後氏は、研究活動と並行して、積極的に著作も発表しています。単著としては、『ひとり空間の都市論』（筑摩書房、2018年）があり、現代社会における個人の空間と都市の関係性について論じています。

また、編著としては、『建築の際——東京大学情報学環連続シンポジウムの記録』（平凡社、2015年、吉見俊哉監修）や、『磯崎新建築論集7 建築のキュレーション——網目状権力と決定』（岩波書店、2013年、磯崎新著、南後由和編集協力）などがあります。これらの著作を通して、現代社会における建築や都市の重要な問題提起を行っています。

さらに、『文化人とは何か?』（東京書籍、2010年、南後由和・加島卓編）では、現代社会における「文化人」の存在意義について考察し、幅広い視点から社会を分析しています。共著としては、三浦展、藤村龍至との共著『商業空間は何の夢を見たか——1960〜2010年代の都市と建築』（平凡社、2016年）があります。


南後氏の研究の特徴

南後氏の研究の特徴は、社会学の理論を基盤としながらも、現代社会における具体的な事例や現象を詳細に分析し、その背景にある社会構造や文化的な要因を明らかにしようとするところにあります。
都市空間や建築、メディアといった多様な要素が、どのように私たちの社会生活や意識に影響を与えているかを考察することで、社会の複雑な構造を解明しようとしています。

今後の展望

南後由和氏は、今後も社会学者としての視点から、都市や建築、メディアに関する研究をさらに発展させていくことが期待されます。
法政大学での教育活動を通して、次世代の研究者を育成するとともに、現代社会における課題解決に向けた新しい知見を提供してくれるでしょう。

外部リンク

* 南後由和 | NANGO YOSHIKAZU - 公式サイト

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