南方親州

南方親州（みなみがた ちかくに）

南方親州は、戦国時代の武将であり、安芸国において毛利氏の忠臣として知られる人物です。彼の出自は、中原氏の庶流である門司氏に遡ります。この門司氏は、大積系に属し、さらに豊後国の大友氏や安芸国の厳島神主家とも血縁関係を持っていました。親州は、延元元年（1337年）の頃に安芸国山県郡南方の地頭に任じられ、以後その地名を名字として名乗るようになりました。

生涯の軌跡

親州は、安芸国の山県郡に位置する南方を本拠地として暮らしていました。父は南方親重であり、彼は地元の名士として知られていました。親州は、同じく安芸国の高田郡に拠点を持つ毛利氏に仕官することになります。毛利氏は当時の国人層の中でも特に影響力を持つ存在であり、親州はその家臣団の一員として仕えていました。

烏尾城に居住しながら、親州は毛利元就に忠誠を誓い、地域社会の安定と毛利氏の発展に貢献しました。特に、享禄5年（1532年）7月13日には、毛利氏の家臣団の間での利害調整を目的とした起請文に署名する機会がありました。この文書には、32名の家臣が名を連ねており、その中で親州は28番目に「南方越前守親州」と記されていました。このことからも、彼が毛利家において有力な家臣であったことが伺えます。

起請文の署名者の多くは、安芸国高田郡の中小領主層のメンバーでしたが、南方氏は特に山県郡に根ざした地盤を持つため、他の署名者とは異なる立場にありました。これは、親州の信頼性や影響力の高さを示すエピソードでもあります。

家族と後継

南方親州の没年は不明ですが、彼には南方親定という子がいました。親定は父親の後を継ぎ、家業を引き継いだとされています。このように、親州の家系は後世へと続いていくことになりました。

脚注と参考文献

南方親州に関する情報の多くは、地域の文献や史料に基づいています。主な参考文献として、岡部忠夫が編著した『萩藩諸家系譜』や千代田町役場が編纂した『千代田町史 古代中世資料編』などが挙げられます。また、山口県文書館に所蔵されている『萩藩閥閲録』も、親州に関する記録が含まれています。

これらの資料を通じて、南方親州の生涯やその後の影響、毛利家との関わりを更に深く理解することができます。

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