享禄

享禄（きょうろく）

享禄は日本の元号の一つであり、大永の後、天文の前の期間にあたる、1528年から1532年までの5年間を指します。この時期の天皇は後奈良天皇であり、室町幕府の将軍は足利義晴がその座にありました。享禄という名称は、古代中国の『周易』に記された「居天位享天禄」に由来しています。

享禄に始まるのは大永8年の8月20日（ユリウス暦1528年9月3日）で、この日は後奈良天皇の即位を受けて、元号が改められた瞬間です。
改元は享禄5年の7月29日（ユリウス暦1532年8月29日）に行われており、以降は天文という新しい元号が採用されました。

この期間は、さまざまな出来事が日本の歴史の中で大きな意味を持ちました。

- 元年（1528年）に、薬師寺の西搭が焼失しました。
- 4年6月4日（1531年 7月17日）に起きた大物崩れでは、管領である細川高国が大敗を喫し、逃亡中に捕縛され、最終的には自害に追い込まれました。
- 5年6月20日（1532年7月22日）には、一向一揆の影響で和泉顕本寺が襲撃され、三好元長は自ら命を絶ち、足利義維は逃亡を余儀なくされました。この事件によって堺公方は消滅しました。

享禄の時代に生まれた人物や、亡くなった人物も多く、その中には後の日本の歴史に大きな影響を与えた人々がいます。

- 元年（1528年）には於大の方が生まれ、彼女は後に徳川家康の生母となります。
- 二年（1529年）には宇喜多直家、戦国大名の父である宇喜多秀家が生まれました。
- この時期の著名な武将には、上杉謙信（1530年1月21日生まれ）、大友義鎮（1530年1月3日生まれ）、吉川元春（1530年生まれ）がいます。
- 享禄の期間中には、数名の重要な武将が亡くなっており、狩野正信（1530年7月9日）、細川高国（1531年6月8日）、松平信忠（1531年7月27日）などがいます。

享禄の時代は、政治的な動乱や重要な出来事が多く、歴史を形成する上での大きな影響を持つ時代でした。日本の歴史の中でも特に注目されるこの期間には、多くの著名な人物が生まれ、また亡くなりました。これらの事象は、後の時代にさらなる影響を与える前触れとも言えるでしょう。

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