南條新太郎

南條新太郎とは

南條新太郎（なんじょう しんたろう）は、1917年（大正6年）3月20日に兵庫県神戸市で生まれた日本の俳優です。本名は杉原義信（すぎはら よしのぶ）。大阪商業学校を中退後、1936年（昭和11年）に新興キネマに入社し、映画界でのキャリアをスタートさせました。主に時代劇で活躍し、端正なマスクと真面目な人柄で、多くの観客を魅了しました。

新興キネマ時代

19歳で新興キネマに入社した南條は、1937年（昭和12年）の映画『吉田御殿』でデビューを果たします。その後、『旗本伝法』シリーズでは徳川家斉役を演じ、注目を集めました。同年には『岡野金右衛門』で主演に抜擢され、その人気を不動のものとしました。新興キネマでは、時代劇を中心に数多くの作品で主演を務め、その存在感を示しました。

大映時代

1942年（昭和17年）に新興キネマが大映と合併した後も、南條は引き続き大映の作品に出演しました。戦後の1947年（昭和22年）には『宵祭八百八丁』で映画界に復帰し、1952年（昭和27年）には大映京都撮影所と正式に契約を結びました。大映では、脇役として数多くの作品を支え、その演技力と存在感は、多くの映画ファンに愛されました。1971年（昭和46年）に大映が倒産するまで、南條は大映の看板俳優として活躍しました。

フリーランス時代と晩年

大映倒産後は、フリーランスとしてテレビドラマにも積極的に出演しました。しかし、1973年（昭和48年）の映画『戒厳令』への特別出演以降、出演作品は見当たらなくなりました。1979年（昭和54年）に発行された『日本映画俳優全集 男優篇』には、存命人物として連絡先が掲載されていましたが、それ以降の消息は不明です。2014年（平成26年）には『日本映画美男俳優 戦前篇』で故人であるとされていますが、没年は不詳です。

主な出演作品

南條新太郎は、時代劇を中心に多くの映画に出演しました。以下に代表的な作品を挙げます。

新興キネマ時代:
『吉田御殿』(1937年)
『旗本伝法』シリーズ (1937年)
『岡野金右衛門』(1937年)
『猿飛旅日記』(1937年)
『元禄十六年』(1937年)
『お伊勢詣り』(1939年)
『近藤勇』(1940年)
『羅生門』(1941年)

大映時代:
『維新の曲』(1942年)
『富士に立つ影』(1942年)
『宵祭八百八町』(1947年)
『怪談佐賀屋敷』(1953年)
『地獄門』(1953年)
『赤穂義士』(1954年)
『新・平家物語』(1955年)
『森の石松』(1957年)
『忠臣蔵』(1958年)
『釈迦』(1961年)
『忍びの者』シリーズ (1962年-1966年)
『座頭市』シリーズ(1962年-1966年)
『眠狂四郎』シリーズ (1964年-1969年)

テレビドラマ:
『高杉晋作』(1963年)
『木枯らし紋次郎』(1972年)
* 『水戸黄門』(1972年-1973年)

まとめ

南條新太郎は、その端正な容姿と真面目な人柄で、昭和の映画界を彩った名優の一人です。新興キネマから大映へと時代を駆け抜け、多くの作品でその存在感を示しました。没年は不明ですが、彼の残した作品は、今もなお多くのファンに愛され続けています。

もう一度検索