南極半島

南極半島の概要

南極半島（なんきょくはんとう）は、南極大陸の西部、つまり西南極に位置する細長いS字型の半島です。この半島は南極海に向かって南緯75度から南緯63度まで伸びており、南極大陸の北端に近い地域の一部を形成しています。南極半島の北部は南極圏外にあるため、南アメリカ大陸とドレーク海峡を挟んで接しています。この地域には、多くの小さな島々が存在し、沿岸には発達した棚氷があります。

地理と気候

南極半島の最北端はプライム・ヘッドで、南緯63度12分付近に位置しています。東西方向の広がりは西経57度から西経71度におよび、東側の海はウェッデル海と呼ばれています。半島は大きく分けて北部のグレアムランドと南部のパーマーランドに区分されます。この半島は氷雪気候ではなく、特にツンドラ気候が見られるのが特徴です。グレアムランドの北端にはホープ湾があり、そこにはアルゼンチンのエスペランサ基地が位置しています。

地勢

南極半島の地勢は非常に山がちで、最高地点は約2800メートルに達します。これらの山々はアンデス山脈の延長として考えられており、地質学的には新期造山帯に分類されます。また、ウェッデル海にはラーセン棚氷が広がり、西側にはアレクサンダー島やアデレード島、ビスコー諸島、アンヴェール島などの多くの島が点在しています。

領有権の主張

南極半島に関しては、アルゼンチン、イギリス、チリの三国が領有権を主張しています。これらの国々はそれぞれ異なる経度範囲を持つ領有を主張しており、重複する部分もあります。アルゼンチンは西経25度から西経74度の地域を「アルゼンチン領南極地域」として、イギリスは西経20度から西経80度を「イギリス領南極地域」として、チリは西経53度から西経90度を「チリ領南極」として主張しています。しかし、これらの主張は南極条約によって凍結されています。

歴史

最初に南極半島が視認されたのは1820年代と言われており、この時期が最初の周辺探索に繋がります。アメリカとイギリスは長らくそれぞれの名称を持ち続けていましたが、1964年には米国と英国の地名諮問委員会間で合意が形成され、南北を区分する形で「グレアムランド」と「パーマーランド」と名付けられました。南極半島は、南極地域への人類の探求の歴史を物語る重要な地点となっています。

このように、南極半島は地理、気候、歴史、領有権などさまざまな側面から非常に興味深いエリアです。

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