南氷川橋

南氷川橋について

南氷川橋（みなみひかわばし）は、東京都西多摩郡奥多摩町に位置し、多摩川を横断する国道411号線（青梅街道）の重要な橋です。この橋は、橋長99.8メートルのラーメン橋構造で、2つの鋼単純合成鈑桁橋と1つの鋼2ヒンジ方丈ラーメン橋から成る複合的な設計となっています。

機能と設計

南氷川橋は、B活荷重に対応した設計であり、全体の幅員は11.3メートルで、その中に車道部分は7.5メートル、両側に1.5メートルの歩道が設けられています。鋼床版が使用されており、橋の安定性や耐久性を高めています。また、この橋の総鋼重は約223.839トンです。架設工法は、ケーブルエレクション工法が採用され、高田機工によって施工されました。

歴史的背景

南氷川橋は、1933年（昭和8年）5月15日に開通しました。当初は、東京府道3号甲府青梅線の一部として建設され、当時の総工費は21,534円でした。開通当初は、鋼上路2ヒンジブレースドスパンドレルアーチ橋として、日本国内において和賀仙人大橋、吉野橋に次いで3番目の鋼ブレースドスパンドレル橋として位置づけられました。

1969年（昭和44年）には、鋼方丈ラーメン橋に架け替えられ、さらに1996年から1997年にかけては、鉄筋コンクリート床版が鋼床版に替えられ、B活荷重への対応や歩道の拡幅といった補強・改造工事が行われました。これにより、橋の耐久性が向上し、多くの車両と歩行者に安全に利用されることが可能となりました。

旧橋の特徴

南氷川橋の旧橋は、鋼上路2ヒンジブレースドスパンドレルアーチ橋で、橋長は76.35メートル、支間割は8.0メートル、60.0メートル、8.0メートルの構成で、幅員は4.5メートルでした。この旧橋の設計は玉井峯雄によって行われ、施工は浅野造船所により実施されました。

周辺環境

南氷川橋の周辺には、東京消防庁の奥多摩消防署や奥多摩総合運動公園があり、地域の重要な交通路としてだけでなく、観光地としても多くの人々に親しまれています。自然景観が豊かな場所にあるため、橋から見える多摩川の景色や周辺の山々も観光客にとって魅力的なポイントの一つです。

参考資料

南氷川橋に関する詳細な情報は、土木学会が発行している『土木史研究論文集』に掲載されています。また、東京都西多摩建設事務所が橋梁管理を行っており、地域の発展と安全な交通を支える重要な役割を担っています。

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