南浜町 (石巻市)

宮城県石巻市に位置する南浜町（みなみはまちょう）は、一丁目から四丁目までで構成される町丁（ちょうちょう）です。全域で住居表示が実施されており、旧石巻市門脇地区の一部を再編成して誕生しました。郵便番号は986-0835です。

概要

石巻市の中心部に位置する南浜町は、隣接する雲雀野町や門脇町と共に、東日本大震災からの復興のシンボルである「石巻南浜津波復興祈念公園」の敷地として整備が進められています。この地域は、2011年（平成23年）3月11日に発生した東日本大震災により壊滅的な津波被害を受け、かつて見られた人々の営みや賑わいの面影は失われました。

歴史的変遷

明治から大正期にかけて、この地域では主に新田開発が進められました。当時は湿地と水田や桑畑といった耕作地が広がる土地であり、人家はまばらでした。

昭和時代に入ると、地域開発が進展します。特に1938年（昭和13年）に東北振興パルプ（現在の日本製紙）が石巻に工場を建設したことが契機となり、南浜町域には工場の社宅が建設されました。また、周辺には漁業関連施設や貨物鉄道の整備も進み、港町としての基盤が築かれていきました。

高度経済成長期を迎える頃には、石巻市は工業都市として大きく発展し、南浜町も住宅地としての需要が高まりました。1979年（昭和54年）の日和大橋開通は交通アクセスを飛躍的に向上させ、地域開発をさらに加速させる要因となりました。

沿革

以下は南浜地区（概ね日和山の麓周辺）の主な沿革です。

1873年（明治6年）- 門脇小学校が開校。
1935年（昭和10年）- 雲雀野地区の一部が南地と命名される。
1940年（昭和15年）- 東北振興パルプ石巻工場が操業を開始。
1959年（昭和34年）- 土地区画整理事業が開始される。
1960年（昭和35年）- 人口が急激に増加する。
1966年（昭和41年）5月1日 - 南浜町に改称される。
1967年（昭和42年）- 土地区画整理事業が完了。石巻工業港が開港する。
1979年（昭和54年）- 日和大橋が開通する。
2011年（平成23年）- 東日本大震災により壊滅的な被害を受ける。

東日本大震災による被害

東日本大震災発生時、南浜町で観測されたと推定される震度は概ね6弱でした。しかし、この地域を襲った津波は場所によって7メートルを超える高さに達し、甚大な被害をもたらしました。これにより、町域内の犠牲者は218名に上り、これは石巻市内でも2番目に多い犠牲者数となりました。

現在の南浜町

震災からの復興を経て、現在の南浜町域の多くは石巻南浜津波復興祈念公園として整備されています。公園内には、震災の記憶と教訓を後世に伝えるための施設が設けられています。

主な施設として、以下のものが挙げられます。

石巻南浜津波復興祈念公園
みやぎ東日本大震災津波伝承館（南浜町2丁目1-56）
「がんばろう！石巻」看板（南浜町3丁目1-28）
東日本大震災メモリアル 南浜つなぐ館（南浜町3丁目1-1）
善海田稲荷神社（南浜町2丁目8）

地価・交通・その他

南浜町の平均地価は、2022年（令和4年）1月時点で平方メートルあたり21,000円（坪あたり約71,000円）となっています。

域内には、宮城県道240号石巻女川線や石巻市都市計画道路門脇流留線などの主要道路が通っています。公共交通機関としては、ミヤコーバスの石巻市内線が利用可能です。

小・中学校の学区は定められています。人口については、2025年（令和7年）2月末時点でのデータがあります。

関連する事項として、石巻市、門脇町、石巻南浜津波復興祈念公園などが挙げられます。

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