南海 (韓国)

南海について

南海は、韓国の地理において朝鮮半島の南側に広がる海域を指す用語です。この海域には、東側には国際的に知られる日本海の一部が含まれ、西側には黄海の一部が含まれます。南海の範囲や境界については、さまざまな韓国の政府機関によって異なる定義が存在し、時には地域間での競争を引き起こすこともあります。

南海の範囲

南海の範囲についての定義は、韓国の行政機関によって異なるため、一貫した理解が難しい状況です。1997年には、当時の海洋水産部が東海との境界を韓国の蔚山から日本の出雲市を結ぶ直線と定義しました。さらに、黄海との境界は珍島の西端と遮帰島を結ぶ直線、そして東シナ海との境界は牛島と福江島の南端を結ぶ線として設定されました。この基準は、1979年に「韓国海洋便覧」で使用された標準に従ったものです。

一方、1992年に発表された国立海洋調査院の「水路業務便覧」では、東海との境界を五六島の北に、黄海との境界を全羅南道海南郡の南端に定めており、これに沿った見解が気象庁でも確認されています。気象庁は黄海との境界を海南半島の南端とし、東海との境界については釜山と蔚山の海岸境界点を挙げています。

観光資源としての南海

2013年になると、南海と東海の境界を観光資源として利用しようとする動きが見られました。この過程で、釜山市の海雲台区と南区の間で神経戦が繰り広げられました。海雲台区は国立海洋調査院の資料を引用して、月見の丘の海月亭付近を「南海と東海が交わる場所」として広報活動を開始しました。海雲台を南海に含めることで、政府が進めている南海観光振興策にこの地域を組み込もうとしている動きもありました。

対照的に、南区は国立海洋調査院が以前の定義に従い、南海と東海の境界を五六島として維持していました。2010年11月には、これに基づき境界標識石を立て、行政の側でもこの立場を支持しています。このような対立は、海域の名称が地域に与える経済的影響から生じているとも言えます。

日本海と東海の呼称問題

韓国では、日本海の他の海域を「東海」と呼称し、黄海の海域を「西海」としています。また、日本海の呼称を「東海」に変更する運動が進行中ですが、問題は、東海と呼ぶことを求めている海域の一部では自ら南海と名付けていることです。このことは、自己矛盾として指摘されています。

南海の定義や呼称を巡る議論は、地域のアイデンティティや観光資源に重大な影響を与えるため、今後も注目されるトピックとなるでしょう。南海に関する理解を深めるためには、これらの複雑な事情を把握することが重要です。

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