南海高師浜線

南海高師浜線：歴史と高架化事業

南海高師浜線は、大阪府高石市の羽衣駅から高師浜駅を結ぶ、全長1.4kmの短い路線です。南海電気鉄道が運営しており、地域住民の足として親しまれています。

路線データ

路線距離：1.4 km
軌間：1067 mm
駅数：3駅（起終点駅含む）
複線区間：なし（全線単線）
電化区間：全線電化（直流1500 V）
閉塞方式：自動閉塞式
最高速度：45 km/h

運行形態は、羽衣駅 - 高師浜駅間を往復する普通列車のみで、ワンマン運転が実施されています。日中は1時間に3本程度の運行頻度です。

歴史

高師浜線は、日露戦争時に高石市に設置されたロシア兵俘虜収容所に由来します。収容所跡地の住宅地開発に伴い、1918年（大正7年）に羽衣 - 伽羅橋間が開業、翌年には高師浜まで全通しました。

年表

1918年10月2日：南海鉄道により羽衣 - 伽羅橋間が開業。
1919年10月25日：伽羅橋 - 高師浜間が開業し全通。
1944年6月1日：関西急行鉄道と合併し近畿日本鉄道となる。
1947年6月1日：旧・南海鉄道の路線が南海電気鉄道に分離譲渡され、南海高師浜線となる。
1970年3月1日：伽羅橋 - 高師浜間が高架化。
1989年11月12日：1両編成から2両編成の運転になる。
2001年3月24日：ワンマン運転開始。
2016年10月8日：2230系車両を使用したラッピング電車「走る!工場夜景」を運転開始。
2020年9月15日：「走る！工場夜景」運転終了。
2021年5月22日：羽衣駅の高架化工事のため営業を休止、バス代行輸送を開始。
2024年4月6日：高架化工事が完了し、運行を再開。

駅一覧

全駅が大阪府高石市内に位置し、普通列車のみが停車します。線内での列車交換はできません。

連続立体交差事業

羽衣駅周辺の連続立体交差事業に伴い、高師浜線は2021年5月から2024年4月まで長期運休し、バスによる代行輸送が行われました。これは、全面運休によって工期を短縮できること、および線路周辺の道路事情から仮設線路の設置が困難であるため、代行バス輸送が効率的であると判断されたためです。

羽衣駅には代行バス乗換専用改札口と乗降場が設けられ、伽羅橋駅と高師浜駅にはそれぞれ代替となるバス停留所が設置されました。運賃は鉄道運休前と同様に南海の鉄道運賃が適用されました。

代行停留所一覧

代行バスは南海バスによって運行され、羽衣駅から高師浜駅を結ぶルートで運行されました。羽衣駅と伽羅橋（北）停留所の間は、高架脇に設けられたバス専用道路を走行しました。

線内各停留所と羽衣駅以遠との間を乗車する場合は、通常の乗車券類が利用可能でしたが、伽羅橋（北・南）停留所と高師浜停留所の間のみを乗車する場合は、ICカード乗車券が利用できませんでした。

代行バスの運行形態

基本的には羽衣駅 - 高師浜停留所間を往復する運行形態でしたが、平日朝ラッシュ時には伽羅橋（北）停留所始発の区間便が設定されていました。運行本数は時間帯によって異なり、ラッシュ時には最大で1時間に15本ものバスが運行されました。

鉄道による運行では全線の所要時間は3分程度でしたが、代行バスでは約15分を要しました。

2021年10月16日からは、混雑緩和のためラッシュ時の運行間隔が調整され、伽羅橋（北）停留所始発の区間便が高師浜停留所始発に延長されました。

高師浜線は、地域住民の生活を支える重要な路線であり、高架化事業によって利便性が向上することが期待されています。

外部リンク

* 南海線（空港線）

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