南筑波線

南筑波線

南筑波線は、かつて国鉄バス（後にジェイアールバス関東）が運行していた自動車路線です。茨城県土浦市の土浦と、同市虫掛の下虫掛を結んでいました。最盛期には、栃木・群馬県に近い古河から千葉県海沿いの八日市場まで、関東平野を横断する半環状バス路線の一部を構成していました。

概要

南筑波線は、1951年に国鉄自動車路線として開業しました。当初は土浦と古河を結ぶ路線でしたが、その後、枝線が拡大され、霞ヶ浦本線、栗源線、多古本線と連続する長距離路線の一部となりました。しかし、モータリゼーションの進展や、沿線地域の開発状況の変化に伴い、中間区間の利用者が減少。段階的に区間が短縮され、2008年には大半の区間が廃止されました。最後に残った土浦市内区間も、2014年に廃止され、路線は完全に姿を消しました。

路線

現存区間

大綱～古河間は、現在「東古河妻線」として古河営業所により運行が継続されています。

廃止区間

廃止された区間は以下の通りです。

下虫掛 - 虫掛橋 - 常陸栄 - 八竜神 - 北柴崎 - （テクノパーク桜） - 常陸大曽根 - 大穂支所前 - 篠崎転向場 - 吉沼上町 - 本宗道 - 下妻上町 - 常陸長塚 - 若 - 松本 - 大綱

下妻上町駅は自動車駅でした。この区間は、関東鉄道常総線宗道駅近くを通り、下妻市の中心部である下妻上町駅に至っていました。廃止直前は下妻上町を境に系統が完全に分割されていました。

篠崎転向場までの区間に短縮された後は、運転本数が平日で上下5本ずつ、休日で上下3本ずつのみとなりました。特に下りは、午前中の便は途中の北柴崎止まりで、終点の篠崎転向場まで運転されるのは夕方の便のみでした。

かつては、虫掛橋、常陸栄、八竜神転向場（後に折り返し設備は廃止）、常陸大曽根、篠崎転向場、吉沼で折り返す便も設定されていました。

つくば市内については、2011年3月まで、つくバスが事実上の代替交通となっていました。

下虫掛 → 土浦 (2014年4月7日廃止)
下虫掛 → 田中町 → 千束町 → 土浦一中前 → 亀城公園前 → 川口町 → 土浦
土浦 → 下虫掛 (2014年6月1日廃止)
土浦 → 川口町 → 亀城公園前 → 土浦一中前 → 千束町 → 田中町 → 下虫掛

開業時

開業時の停車場は以下の通りです。

土浦、千束町、虫掛橋（土浦市）、常陸大村（栄村）、常陸栄、台坪（栗原村）、玉取（大穂村）、常陸大曽根、篠崎、今鹿島、吉沼（吉沼村）、蚕飼（蚕飼村）、唐崎（宗道村）、新宗道、下妻上町（下妻町）、常陸長塚、貝谷（西豊田村）、若、下結城（下結城村）、恩名（名崎村）、大綱（八俣村）、八俣、桜井村役場前、駒羽根（香取村）、女沼（勝鹿村）、下山町（古河市）、古河

歴史

南筑波線は、改正鉄道敷設法に規定された路線の先行路線とされています。また、茨城県南西部を横断する路線であったため、東北本線と常磐線の短絡という役割も担っていました。

しかし、中間区間の利用者が減少したため、次第に土浦・古河地区における鉄道の培養という性格が強まっていきました。

下妻～土浦間の沿線地域では、関東鉄道のバス路線が幹線道路を占めており、南筑波線は枝線を拡大することができませんでした。また、1970年代以降、つくば市地域は筑波研究学園都市として開発されましたが、南筑波線は旧来の集落を通る昔のままのルートを維持し、開発地域には乗り入れませんでした。そのため、研究所に近いところでは、他社が本数や所要時間で優位に立ち、南筑波線の需要は減少しました。

2006年には松本〜下妻上町〜篠崎転向場が、2008年には篠崎転向場～下虫掛が廃止され、路線の大部分が廃止されました。

ちなみに、下妻・土浦の両市を結ぶ路線としては、関東鉄道の北条経由の路線がありますが、こちらは現在でも運行しています。

年表

1951年2月20日 - 霞ヶ浦本線の支線として国鉄自動車南筑波線、土浦・古河間が開業。
1952年12月25日 - 土浦・山ノ荘間の支線開業。
1958年3月1日 - 山ノ荘間の支線が山ノ荘線として独立。
1962年11月1日 - 区間を古河・亀城公園前間に変更、霞ヶ浦線から独立。
1963年11月16日 - 区間を亀城公園前・古河間に変更、改キロ実施及び恩名・大綱間に築越停車場新設。
1966年5月17日 - 一部区間で改キロ実施及び古河・古河西口間の支線開業並びに停車場新設。
1970年10月8日 - 古河・古河西口間の支線廃止。
1987年4月1日 - 東日本旅客鉄道（JR東日本）に承継される。
1988年4月1日 - ジェイアールバス関東に承継される。
2000年3月27日 - 古河三中前～久能（駒羽根循環）開業。
2001年2月19日 - 土浦 - 古河 直通便を廃止。バス停の名称変更（下大野十字路 → 総和郵便局前）。
2005年7月9日 - テクノパーク桜への乗り入れ廃止。
2006年4月1日 - 篠崎転向場～下妻上町〜松本（21.8km）が廃止。
2008年4月1日 - 下虫掛〜篠崎転向場が廃止。
2014年4月7日 - ダイヤ改正（土浦発2→1便、下虫掛発1→0便）。
2014年5月30日 - 土浦 → 下虫掛は休校日運休のため、最終運行。
2014年6月1日 - 土浦 → 下虫掛が路線廃止。

関連項目

イオンモール土浦
常磐高速バス

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