南芦屋浜本線料金所

かつて阪神高速道路5号湾岸線上に設けられていた施設の一つに、南芦屋浜本線料金所がありました。これは兵庫県芦屋市の海洋町、西宮市との境に近い地点に位置し、主に大阪方面から六甲アイランド方面へ向かう車両が通行する際に利用する料金所として機能していました。

南芦屋浜本線料金所は、阪神高速5号湾岸線が開通した1994年頃から運用が開始されました。運用開始から2011年までの期間、ここは「阪神西線」と呼ばれる料金区分における通行料金を支払うための主要な施設でした。多くの車両がここで一度立ち止まり、定められた料金を支払って次の区間へと進んでいたのです。

しかし、阪神高速道路の料金体系や収受方法が見直される中で、南芦屋浜本線料金所の役割も変化していきます。2012年からは、従来の全車両を対象とした料金収受業務から、通行証の確認業務が主体となり、加えて甲子園浜出入口（大阪方面から六甲アイランド方面へ向かう際に南芦屋浜の手前に位置する出入口）を利用して本線に流入した車両から通行料金を徴収するという、より限定的な役割を担うようになりました。

そして、2017年1月、阪神高速道路の料金所の再編の一環として、甲子園浜出入口に新しく入口料金所が設置されたことに伴い、南芦屋浜本線料金所はその運用を終了し、廃止されました。約23年間の歴史に幕を下ろしたことになります。

本線料金所として役目を終えた後、その広大な跡地は新たな形で阪神高速道路の利用者に貢献することになります。料金所が取り壊された後、この空間を活用して整備が進められ、2019年3月19日には南芦屋浜パーキングエリアが新たに開設されました。このパーキングエリアは、かつての料金所と同様に、六甲アイランド北方面へ向かう車両のみが利用可能な休憩施設となっています。本線上に設けられた料金所跡地が、道路利用者の利便性を高めるための施設として再活用された好例と言えるでしょう。

南芦屋浜本線料金所があった場所は、阪神高速5号湾岸線のルート上で、隣接する出入口との関係性からその位置を把握することができます。大阪方面からは西宮浜出入口（(5-10)）に続き、南芦屋浜本線料金所（廃止）または現在の南芦屋浜パーキングエリアがあり、その先には南芦屋浜出入口（(5-11)）が位置していました。

この料金所があった周辺は、芦屋市南部の海岸部に位置しており、潮風大橋や浜風大橋といった特徴的な橋梁が近隣を通っています。また、ベルポート芦屋や芦屋市総合公園、さらには新西宮ヨットハーバーなども近くにあり、海辺の景観に恵まれた地域でした。

南芦屋浜本線料金所は、日本の高速道路における本線料金所という形態の一例として挙げられます。高速道路の料金体系や収受方式は時代によって変化しており、それに伴って料金所の設置形態や役割も変化してきました。当料金所の廃止と跡地のパーキングエリア化は、そうした高速道路施設の変化の一端を示しています。阪神高速道路全体の情報については、阪神高速道路株式会社の公式サイトなどで詳細を確認することができます。

もう一度検索