南雲道夫

南雲 道夫（なぐも みちお）

南雲道夫は、1905年5月7日に生まれ、1995年2月6日に死去した日本の数学者です。理学博士。主に解析学の分野で、生涯を通じて数多くの独創的な業績を挙げ、日本の数学界に貢献しました。大阪大学名誉教授および上智大学教授を歴任し、人材を育てました。

山形県旧米沢藩士族の家系に連なる、弁護士・南雲庄之助氏の長男として、1905年5月に東京市で誕生しました。学問の道を志しました。

東京帝国大学理学部数学科に進学し、1928年に卒業。卒業後も大学院に籍を置き、偏微分方程式論という解析学の一分野に焦点を当て、精力的に研究活動を継続しました。この大学院時代の論文は、その質の高さは認められ、研究者として注目を集めました。

その後、九州帝国大学や広島文理科大学で講師を務め、教育者として教鞭を執る傍ら、自身の研究も深めました。国際的な研鑽のため、1932年にはドイツへ留学。ゲッティンゲン大学に2年間滞在し、最先端の数学に触れ、研鑽を積みました。

1934年3月に帰国後、大阪帝国大学の講師として着任しました。同年9月には助教授に昇任し、そして1936年には教授に就任しました。大阪帝国大学（後に大阪大学と改称）では、長期にわたり数学科の要として教育と研究を牽引しました。1937年には、これまでの研究成果が認められ、論文博士として理学博士の学位を取得しました。この時期、南雲教授は解析学の様々な分野で革新的な研究を展開し、その成果は国内外で高く評価されました。

大阪大学で定年を迎え、1966年に同大学の名誉教授となりました。定年と同時に、南雲教授は活動の場を移し、上智大学数学科の教授に就任しました。上智大学でも引き続き教育に情熱を注ぎ、学生を指導しました。その教え子の中には、後に知られる数学者、秋山仁氏がいます。1976年3月、南雲教授は上智大学を定年退職し、第一線での教育活動に終止符を打ちました。

長年の研究と教育に尽力した南雲道夫氏は、1995年2月6日、急性肺炎のため東京都小金井市の病院で逝去しました。享年89歳でした。葬儀並びに告別式は、同年2月9日の午後に同市内の教会で執り行われ、喪主は長男が務めました。

伴侶は、指導教員であった吉江琢児氏の次女まき氏でした。南雲道夫氏は日本の数学史において重要な足跡を残しました。解析学における彼の独創的な研究は、現代数学の発展においても重要な意味を持っています。

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